大衆伝道者のフランクリン・グラハム氏が、9月から10月にかけ14日間にわたる伝道ツアー「ゴッド・ラブズ・ユー」を全米各地で開催した。ツアーでは、ニュースボーイズやマルコス・ウィットなどの人気クリスチャンアーティストが賛美をささげ、数千人もの人々がイエス・キリストを信じる決心をした。
著名な大衆伝道者、故ビリー・グラハム氏の息子であるグラハム氏は、2001年からビリー・グラハム伝道協会(BGEA)の総裁を務めており、今回のツアーでは全米8都市を巡り、福音を伝えた。ツアーは9月19日にシカゴ近郊のジョリエットで始まり、映画や小説にも登場する旧国道「ルート66」に沿うように各地で集会を開催。10月2日にロサンゼルス近郊のサンバーナーディーノで幕を閉じるまで、計5万6千人以上が参加した。BGEAの広報担当者によると、5千人以上がこのツアーでイエス・キリストを信じる決心をしたという。
最後の訪問地であるサンバーナディーノでグラハム氏は、新型コロナウイルスのパンデミック発生以来、最大規模となった対面イベントを振り返り、次のように語った。
「2週間前、私たちは歴史的なルート66に沿って『ゴッド・ラブズ・ユー』ツアーを開始し、米国の中心部にある8つの都市で希望のメッセージを伝えました」
「そして今夜、最後の訪問地であるサンバーナーディーノで、私は誰にも宗教を勧めるつもりはないことを聴衆に伝えました。宗教はあなたの魂を地獄から救うことはできず、イエス・キリストだけが救うことができるからです。悔い改めてイエス・キリストの元に来て、イエス・キリストに信仰と信頼を置くようにとの招きに応えてくれたすべての人々を神に感謝します。私と一緒に彼らのために祈りましょう」
そして、1989年以降、世界各地で開催された約200の伝道イベントで福音を伝えてきた69歳の伝道者は、エフェソの信徒への手紙2章8~9節「事実、あなたがたは恵みにより、信仰によって救われました。このことは、自らの力によるのではなく神の賜物です。行いによるのではありません。それは、誰も誇ることがないためなのです」を引用した。
ツアーでは他に、9月21日にミズーリ州セントルイス、23日に同州スプリングフィールド、25日にオクラホマ州オクラホマシティ、26日にテキサス州アマリロ、28日にニューメキシコ州アルバカーキ、30日にアリゾナ州フラッグスタッフを訪問した。
グラハム氏は、ニュースボーイズやデニス・アガジャニアン、またラテングラミー賞を5回も受賞しているマルコス・ウィットなど、ツアーに参加したクリスチャンアーティストに感謝の意を表した。また、10月2日の最後の集会に参加したトミー・クームズ・バンドと、ハーベスト・クリスチャン・フェローシップの主任牧師で同じく大衆伝道者であるグレッグ・ローリー氏にも感謝の意を表した。
このツアーには、8都市の1400以上の教会がパートナーとして協力しており、参加者に希望と励ましを与えた。協力教会は今後、福音の招きに応えた人々のフォローアップを行うことになる。
「時代が変わり、文化が変わっても、御子イエス・キリストを通して神との関係を求める人々のニーズは変わりません」とグラハム氏。「悪いニュースばかりの毎日の中で、人々は希望を必要としています。私はルート66沿いの人々、そしてこの国の他の地域の人々に、神が彼らを愛していることを知ってもらいたいのです」と伝えた。
クリスチャン・ロックバンド「ニュースボーイズ」のリードシンガーであるマイケル・タイット氏は、クリスチャンポストとの最近のインタビューで、伝道活動や次世代に福音を伝えることに対する思いを語った。「Z世代」(1990年代後半~2000年代生まれの世代)と呼ばれる米国の若年層は今、研究者の間で「最も孤独な世代」「最も聖書を知らない世代」といわれている。
「今回のアルバムには『Won't Be Afraid』という曲があります。私たちはこの曲を『Don't Be Afraid』とは呼んでいません。これは彼ら(若者)に選択肢を与えるものです」とタイット氏は言い、ヨシュア記1章9節で神は自身の民に「恐れてはならない」と命じていることを取り上げた。
「勇気を持ってください。怖がらないでください。実際、どこに行っても神は私たちと共におられます。言うはやすし行うは難し、その通りです。しかし、神が支配していることを忘れてはいけません。なぜなら、自分が支配していると思った瞬間に恐怖が押し寄せてくるからです。それはあなたにうそをつきます。あなたをだまします。眠れなくなります。子どもの皆さん、道を踏み外さないように。聖書を持って学校に行きましょう。強くあってください。神はあなたの心を知っています。神はこの地を歩いてきました。彼は私たちがいるところを通ってきたのです。私たちもあなたがたがいるところを通ってきました。道を踏み外さないでください」
タイット氏はまた、自分たちの才能を神の栄光のために用い、深い失意の底にいる人でさえ、神は救うことができることを伝えたいとも語った。
「私たちは完璧ではありません。欠点がないわけではありません。困る日もあるでしょう。しかし、その困った状況の中にもメッセージがあることを神に感謝します。それは、神は私を愛している、神は私を赦(ゆる)してくださるというメッセージです。毎日、私は恵みと慈しみをもって、もう一度やり直すことを選ぶことができるのです」