世界のクリスチャン音楽界をリードするヒルソング教会と、開拓20年で3万人の教会へと成長したインドネシアのジャカルタ・プレイズ・コミュニティー・チャーチ(JPCC)の著名リーダーたちが講演する「ワーシップ&リーダーシップ・カンファレンス」が11日から13日までの3日間、静岡県浜松市のライブチャーチ寸座で開催された。2日目午前のメインセッションでは、「ワン・ウェイ(ONE WAY)」など多くの楽曲を手掛けるヒルソング・ユナイテッドのジョナソン・ダグラス氏が講演。神から与えられた使命に踏み出すときに必要な「神による大胆な自信」を持つために、押さえておくべき5つのポイントを自身の体験から語った。(関連記事:スモールグループを導くポイント 1400のグループまとめる牧師が講演)
1. 神が見る通りに自分自身を見る
ダグラス氏は、神による大胆な自信を持つための1つ目のポイントとして「自分自身の見方」が重要だと語り、詩編139編13、14節「あなたは、わたしの内臓を造り、母の胎内にわたしを組み立ててくださった。わたしはあなたに感謝をささげる。わたしは恐ろしい力によって、驚くべきものに造り上げられている。御業がどんなに驚くべきものか、わたしの魂はよく知っている」を引用。「すでに聞いたことのある御言葉かもしれません。でも、これを覚えておくことが重要」と言い、「あなたは偶然できた存在ではないのです。あなたの人生に神様が間違いを犯したのではありません。あなたはとても特別な価値のある存在なのです」と強調した。さらに、「この世にある文化によって、自分を形作らないでください。私があなたに伝えたいのは、神様があなたを完璧に造られたということです。神様が見る通りに自分自身を見ることができるとき、神様による大胆な自信を持つことができます」と話した。
2. 自分自身に満足する
ダグラス氏は、「2つ目のポイントは『自分自身に満足する』ことです。私たちの生きている文化は、他の人と自分を比べさせようとします。でも、人と比較することで自信を失ってしまいます」と話し、ヒルソング教会で音楽奉仕を始めた頃の体験を語った。
「ユースで歌い始めたときのことを思い出します。私は、他のシンガーと自分を比べてしまうのです。みんな上手で、高い声が出ます。彼らのように歌わなきゃと思っていました」。会衆の賛美を導いていたある時、できるだけ高い声を出そうと思いきり息を吸って高い声を出そうとしたが、ひどい声になってしまったという。「みんなの手がせっかく上がっていたのに、耳をふさいでしまったのです。その時すぐに分かりました。自分は他の人のようには歌えないということを。それでも大丈夫なのです」
「神様は、私に大きな声を与えてくれました。そして、とても低い声を与えてくれたのです。私が自分らしい声を見つけたとき、他の人のように歌うのをやめました。自分の歌に自信を持てるようになりました。それだけでなく、歌うたびに喉が痛かったのもなくなりました。私たちは、神様が造られた通りの自分に満足する必要があります」
また、フィリピの信徒への手紙4章11〜13節「物欲しさにこう言っているのではありません。わたしは、自分の置かれた境遇に満足することを習い覚えたのです。貧しく暮らすすべも、豊かに暮らすすべも知っています。満腹していても、空腹であっても、物が有り余っていても不足していても、いついかなる場合にも対処する秘訣を授かっています。わたしを強めてくださる方のお陰で、わたしにはすべてが可能です」を引用。「あなたのどんな状況に対しても、神様は共にいてくださいます。私たちはどんな状況にあっても、満ち足りることができるのです。神様が与えてくださるからです」と強調した。
3. 神の言葉に専念する
3つ目のポイントとしてダグラス氏は、「神の言葉に専念する」ことを挙げた。「神様の言葉に沿って生きなければいけません。自分の年齢によって自信を失ってはいけないのです」と話し、使徒パウロが若いテモテに送った言葉「あなたは、年が若いということで、だれからも軽んじられてはなりません。むしろ、言葉、行動、愛、信仰、純潔の点で、信じる人々の模範となりなさい。わたしが行くときまで、聖書の朗読と勧めと教えに専念しなさい」(1テモテ4:12、13)を引用。「テモテに自信を持たせるためにパウロがアドバイスしたのは、自分自身を聖書に専念させることでした。私が皆さんにできる最高のアドバイスは、この聖書を読むことです」と強調した。
「この聖書には、私たちに必要なものがすべてあります。ネットフリックスでどんなものを見るのが好きだったとしても、どんな本を読むのが好きだったとしても、この神様の言葉には、今まで見たことのないような偉大なストーリーが入っているのです。もしかしたら、ラブストーリーが好きな人がいるかもしれません。この神様の言葉は、最高のラブストーリーです。もしかしたら、戦争ものの映画が大好きかもしれません。今までで最も偉大な戦いを、この聖書の中に見ることができます。もしかしたら、金融について興味があるかもしれません。この金融にとって、最も多くの助言があるのは聖書です。もしかしたら、リーダーシップについて学びたいと思っているかもしれません。旧約聖書から新約聖書の最後まで、神様の言葉はリーダーシップの知恵に満ちています」
ダグラス氏は、「私たちが神様にあって大胆な自信を持ち、神様が約束されているすべての祝福を受け取るためには、この神様の言葉に専念する必要があります。この聖書に従って人生を歩むことで、神様にあっての大胆な自信を持つことができるのです」と語った。
4. 正しい隠れ場に逃げる
4つ目のポイントとしてダグラス氏は、「正しい隠れ場に逃げる」ことを挙げた。「私たちの人生には、走って逃げなければいけない、隠れなければいけない時があります。でも、正しい方向に走ることを覚え、正しいところに隠れなければいけません」と話し、数年前に生まれて初めて不眠症になったときの経験を語った。
「どうやっても眠れなかったのです。でも、神様の言葉を思い出したときに、神様のところへ逃げることができました」。ダグラス氏はそう語り、詩編34編2〜6節「私は神に生き、神を呼吸します。うまくいかないとき、これを聞いて喜びなさい。このニュースを一緒に広めましょう。一緒に知らせましょう。神様の方から、私に来てくれたのです。私の不安や恐れから自由にしてくれたのです。彼を見て、彼に温かくほほ笑みましょう。神にあなたの感情を隠してはいけません」(英語・メッセージ訳)を引用。「皆さんをそのように励ましたいのです。もしかしたら今、何か困難を抱えているかもしれません。それによって自信を失ってしまったと思っているかもしれません。神様に向かって逃げて、隠れてください。神様の愛と恵みがあなたを覆うでしょう。その経験を通して、強い自信が生み出されるのです」と話した。
5. 正しい場所に自信を置く
5つ目のポイントは、「正しい場所に自信を置く」こと。ダグラス氏は、ヒルソング・ユナイテッドの一員として多くのステージを経験する中で、何度も不安と恐れに押しつぶされそうになったことを告白した。しかし、次の聖書箇所を読んだとき、ダグラス氏の中に大きな変化が生じたという。
「甘い考えで自分に自信を持ってはいけません。あなたは特別ではありません。あなたも他の人と同様に滅ぶこともあります。自分に自信を持っても無意味です。神様への自信を育てなさい。あなたの直面する試練や誘惑は、他の人が直面したものを超えることはありません。これだけは覚えておきなさい。神様はあなたがたをがっかりさせることはなく、あなたの限界を超えた試練を許されず、そしてそれを通り抜けられるよう、いつでも一緒にいて助けてくれます」(1コリント10:12、13、英語・メッセージ訳)
「私たちがどこに自信を置くかは重要なことです。自分自身の力に自信を置くのではなく、神様に私たちの自信を置くのです。私は、自分がうまく歌えるだろうかということばかり考えていました。でも、神様に自信を持つことにしたのです。神様の力を通して、私たちは多くを成し遂げることができます。神様の力強さを知るときに、私たちは強い自信を持たずにはいられません」と強調した。
手の中にあるものに忠実になる
参加者から、クリスチャン人口が1パーセント未満の日本で、教会のワーシップカルチャーを広めるためにどのように祈り、過ごせばよいかとの質問を受け、ダグラス氏は「私たちの手の中にあるものに、できるだけ忠実になること」とアドバイスした。
ダグラス氏は、「神様が今日本でしてくださっていることを感謝しますし、日本のクリスチャン人口が1パーセントにも満たないと聞くと、とても大きな困難だと思います」と話し、「その中でどのように祈り、過ごすべきかは、イエス様に見習い、イエス様が祈った通りに祈り、イエス様が過ごした通りに過ごすことだと思います」と答えた。
「私たちの主任牧師がいつも言ってくれたのは、『あなたの手にあるものを用いなさい』ということと、『それを用いて心にある夢をかなえなさい』ということでした。でも、そこにはたくさんの困難があります。自分が神様のために持つ夢と、今自分の手の中にあるものとの間に大きなギャップがあるという困難です」
ダグラス氏は、「時に私たちは目標や夢ばかり大切にし過ぎて、神様が手に与えてくれたものに対して十分な努力を払わない時があります」と指摘。「もちろん、大きな期待を持って大きな夢を見なければならないと思います。でもそれと同時に、神様が手の中に与えてくれたものに注力して、今できることにできるだけ忠実になること、そして神様に信頼し、神様が何をなさるかを見ることが大切だと思います」と話した。