ヒルソング教会など世界的に活躍する教会リーダーたちを講師に迎えた「ワーシップ&リーダーシップ・カンファレンス」の分科会2では、インドネシアのメガチャーチ「ジャカルタ・プレイズ・コミュニティー・チャーチ」(JPCC)のワーシップリーダーたちが、「次世代に向けてのチーム作り」をテーマに語った。
JPCCは1999年、現在の主任牧師夫妻と副主任牧師夫妻によって始められ、今では毎週3万人が礼拝に参加するメガチャーチ。同教会のワーシップチームである「JPCCワーシップ」だけでも200人以上の奉仕者がいる。同教会のクリエイティブ・パスターであるシドニー・モヘデ牧師は200曲以上の賛美を生み出し、中でもイスラエル・ホートンと共同で作詞した「Hosanna(Be Lifted Higher)」は世界的なヒットとなった。分科会2では、JPCCワーシップのゲア・デナンダ牧師と若手ワーシップリーダーの3人が、次世代につなげるチーム作りの5つのポイントを語った。
模範を示す
ゲア牧師は初め、使徒パウロが「わたしに倣う者になりなさい」(コリント一4:16)とコリントの信徒たちに言ったように、リーダー自身が「模範を示す」ことが重要だと強調した。「今の時代は情報が不足している時代ではありません。逆に情報があふれ過ぎている状況です。今の若者たちには、情報や教育が足りないのではなく、良い模範になる人がいないのです」。次世代の育成を願い、そのビジョンやスローガンを掲げている教会は多くある。しかし大きな問題は「リーダー自身がそれをどのように実現できるか模範を示せていない、具合的なアクションを起こせていない」ことだとゲア牧師は言う。「次の世代は、明確な模範となるようなリーダーを必要としています。私たちリーダーは、言葉を行いとして示してあげる必要があります」
頼れる存在になる
2つ目のポイントは、リーダーが「頼れる存在」になること。JPCCワーシップの賛美リーダーであるリブカ・ユスフ・ルクマンさんは、頼れるリーダーの特徴として、自分のものを分かち合う、自分自身が称賛を受けることを望まない、チームを立て上げたいという願いを持っている、自分や他人の弱さを理解している、自分の失敗を隠さず次の成功につなげる――などを挙げた。また頼れるリーダーは、頼れるリーダーを作ると指摘。頼れるリーダーが多い組織があれば、それは偶然ではなく意図的な産物だと語った。
次世代に任せ、失敗してもよい環境を作る
同じくJPCCワーシップの賛美リーダーであるドニー・エフリエンさんは、3つ目のポイントとして「次世代に任せ、失敗してもよい環境を作る」ことを挙げた。ワーシップチームには、チームごとにそれぞれの特色がある。しかし、次世代のリーダーを育てるためには、それまでのチームの特色にとらわれず、次世代が自分たちの道を歩めるようにする必要がある。「リーダーは彼らを導く必要はあります。しかし、チームの精神や文化的なものと、実際に行うことを混同してはいけません。世代によってまったく違うやり方をするからです」
次世代に委ねる過程では失敗も出てくるが、「成功すれば共に喜び、失敗すればそれを覆ってあげる必要があります」とドニーさん。次世代の若者たち自らが聖霊に聞き従うように導き、失敗を責めるのではなく、失敗を許してあげることが大切だと語った。
しもべの心を持って導く
4つ目のポイントは「しもべの心を持って導く」。「しもべの心を持つリーダーは、真実と恵みの両方を示してくれます。真理とは正しい方向性のようなもので、恵みとは受け入れること。指針となる良い模範を示すと同時に、受け入れる心を持つことです」と、JPCCワーシップの賛美リーダーであるビオリント・ベネスティアさんは言う。「恵みのない真理に立つと、とても厳しい応答になってしまいます。そういう状態で人を導くと、人は傷ついてしまいます。逆に真理に立たず恵みだけに立つと、人を横柄な態度にさせてしまいます」と説明し、しもべの心を持つリーダーの要素として真理と恵みのバランスの大切さを語った。
大きな絵を描く
最後にゲア牧師は「大きな絵を描く」ことの重要性について語った。
「ビジョンは私たちを正しい路線に留める上でとても大切です。これからやろうとすることの理由に関わるものだからです。この働きは私たちのためにあるものではなく、神様の御国のためのものだと、大きな絵を描く必要があります。それは、イエス・キリストの福音を次の世代に伝えることです。昇天前にイエス様が語られた大宣教命令のように、大きな絵をいつも思いの中に留めておく必要があります」