日本の地域教会が強められ、備えられることを目的に昨年から開催されている「ワーシップ&リーダーシップ・カンファレンス」。今年は新型コロナウイルスによる影響がある中、12日から14日にかけてライブチャーチ寸座(静岡県浜松市)を会場に開催され、国内外の約80教会からオンラインを含め約350人が参加した。講師陣は、世界的に有名なヒルソング教会や、開拓20年で3万人の教会へと成長したインドネシアのジャカルタ・プレイズ・コミュニティー・チャーチ(JPCC)のリーダーたち。カンファレンスの目玉の一つである2日目夜の「ワーシップ・ナイト」では、米サンフランシスコのヒルソング教会を牧会するブレンデン・ブラウン牧師がメッセージを伝えた。
神と出会う前、10代からドラッグやアルコールにおぼれ、気付いたときにはシドニーでナイトクラブを運営していたというブラウン牧師。ドラッグ中毒になり、路上に座り込んで「神様、あなたが本物なら助けてください!」と叫んだのが22歳の時だった。「それから19年、私は神様の恵み、助け、憐(あわ)れみ、義を見いだすことができました」。ブラウン牧師は自身の人生に示された「神様の良さ」を語りつつ、その「神様の良さ」を捉えるための4つのポイントについて語った。
ブラウン牧師が最初に挙げたのは「心を天に向ける」。「どこに心を向けるかで、皆さんの目的地が決まってしまいます」とブラウン牧師。「神様を『責める神様』だと思っていると、きっと罪悪感を感じてしまうでしょう。しかし『神様の良さ』に心を向けるなら、神様の良さ、素晴らしさを見ることができるようになるのです」と語った。
2つ目は「口を整える」。ブラウン牧師は、私たちの口が命を語り、神様の約束を語る口にならなければならないと強調。「世の中は不安を口にしますが、私たちは信仰を告白します。世の中は罪悪感や裁くことを口にしますが、私たちは神様の良さ、恵みを口にすべきなのです」と言い、言葉が自分の人生を作り上げることもあれば、破壊することもあるとして、発する言葉の大切さを語った。
3つ目に挙げたのは「神様の良さを常に思いめぐらす」。聖書は、神の言葉を口から離すことなく、昼も夜も口ずさむよう命じている(ヨシュア1:8)。牛が草を反芻(はんすう)するように、私たちが神の言葉を思いめぐらすことで、「情報から啓示」に変わるとブラウン牧師。たとえ困難の中にあり賛美する気持ちが起きないときでも、賛美を続け、「神様の良さ」について思いめぐらし続けることが大切だと励ました。
最後は「気持ちを思いやりに向ける」。ブラウン牧師は、神様の良さは究極的には、イエス・キリストが私たちを憐れまれたことに表れていると説明。イエスは多くの病人を憐れんで癒やし、人々を羊飼いのいない羊のようだとして憐れんだ。「イエス様の人に対する思いは、心からの思いやりの心なのです」と伝えた。
ワーシップ&リーダーシップ・カンファレンスは、2017年に始まった「寸座ロックフェスティバル」と共に始まった。1年目は「ワーシップ・セミナー」として、2年目は「ワーシップ&リーダーシップセミナー」として開催し、昨年から3日間にわたるカンファレンスに拡大。今年は新型コロナウイルスのためフェスティバルは中止となったが、カンファレンスは海外講師がオンラインで講演できるよう用意をし、さらに一般参加者もオンラインで参加できるよう対応したことで開催にこぎ着けた。
カンファレンスを主催した寸座ロックフェスティバル実行委員会の榊山純牧師(ライブチャーチ寸座ワーシップ・パスター)は、「コロナ渦の中でワーシップ&リーダーシップ・カンファレンスを開催できたことを心から神様に感謝しています」と言い、次のように語った。
「このカンファレンスの目的は日本の教会の『礼拝と賛美がより力強くささげられること』、そして『キリストの愛に基づいたリーダーシップを通して教会が成長すること』です。
ここ数年、私たちはヒルソング教会やJPCCとの交わりを通して、教会成長の鍵が『天国文化に基づいたリーダーシップ』にあることを教えられました。しかし日本では、教会がリーダーシップについて学ぶ機会はとても少ないです。世界的にも有名なヒルソング教会やJPCCは、ワーシップやリーダーシップの分野において素晴らしい祝福と知恵をいただいており、今回のカンファレンスで日本の教会のために惜しみなく分かち合ってくださいました。
自分が良かれと思う文化の中で人々を導くのではなく、まず私たち自身が変わり、実践し、そしてキリストの愛に満ちた文化を形成することの重要性を学びました。ゲストの皆さんを通して、神の恵みと励ましを力強くいただいた3日間となりました。引き続き、日本の教会にとって大きな祝福となることを願っており、このような機会を続けて設けていきたいと願っています」