米世論調査機関「ピュー研究所」が4日に発表した調査報告(英語)によると、米国人成人のうち、白人福音派の4分の3がジョー・バイデン大統領を「支持しない」としており、調査対象となった宗教グループの中で最も高い数値となった。
同研究所は調査の中で、複数の宗教グループにおけるバイデン氏の支持率を分析。2017年のドナルド・トランプ前大統領に対する支持率と比較している。
それによると、白人福音派の75%がバイデン氏の実績を支持しないと回答しており、支持すると回答した人は23%にとどまった。また、白人福音派を除く白人プロテスタントもバイデン氏に対する不支持率は53%で2番目に高く、プロテスタント全体では不支持率が50%、支持率が48%だった。一方、黒人プロテスタントは、調査対象の宗教グループの中で不支持率が8%と最も低く、支持率は89%と最も高かった。
「黒人プロテスタント、ヒスパニック系カトリック、無宗教者(無神論者、不可知論者、特定の信条を持たない人々)は、一貫して民主党の強固な支持層となっている」とピュー研究所。「白人福音派は米国で最も強固で一貫した共和党支持グループで、その傾向性はここ数十年でより一層安定化している。一方、白人カトリックと白人福音派以外の白人プロテスタントも、近年は共和党支持に傾いている」と指摘する。
調査は、4月5~11日に5109人を対象に実施。サンプル全体の誤差はプラスマイナス2・1ポイントだった。
今回の調査により、ここ数年、トランプ氏の道徳上の行動が論争を引き起こしてきたが、白人福音派の強固な支持が揺らでいないことが分かる。
一方、20年の米大統領選では、トランプ氏に対する白人福音派の支持率がわずかに低下しており、それが敗因となったのではないかと一部の出口調査で示唆されていた。米ABCネットワークによる出口調査によると、白人福音派とボーンアゲン(新生)したキリスト教徒によるトランプ氏の支持率は、16年は80%だったが、20年は76%に減少した。