一昨年から続いている金融危機に加え、昨年来のパンデミック、昨年夏のベイルート爆発事故と、レバノン社会は疲弊を極めている。爆発事故後、内閣は総辞職したが、9カ月たつ今も政局は混乱している。
レバノン通貨は2019年の秋以降、対米ドル比で10分の1の価格に下落した。そのため、食料品や日常品の異常な物価高が続いている。世界銀行の幹部は、レバノンが行動しない限り、さらなる破滅が待っていると警告を発した。
出口の見えないトンネルのようなレバノン社会の悲劇の中で、少なくとも一つの光明がある。
現地福音派の関係者によると、多くの人々が、今までとはまったく違う新しい方法で主イエスに希望を見いだしているというのだ。人々の認識も変わってきているという。例えば、以前は福音派を敵視していたカトリックや正教会の人たちが、今ではとてもオープンになり、福音派の働きに好意的になっているのだという。
レバノンの信者たちは3年前から主を求め、自分たちの国で力強く働いてくださるように祈り始めた。神の応答は予想外だったが、決して歓迎されていないわけではない。
レバノンの兄姉らは「神はこれまでにないほどレバノンを揺り動かしています」と述べ、国が変革するような明るい兆しを見ているのだ。国全体に及ぶ国難だが、これがレバノンの大いなる収穫の時となるよう祈っていただきたい。
■ レバノンの宗教人口
イスラム 59・0%
プロテスタント 0・6%
カトリック 23・9%
正教会関係 7・3%