同志社大学は26日、従来から取り組んできたダイバーシティー(多様性)の推進をさらに進め、多様な個が輝くキャンパスを実現することを目的に「同志社大学ダイバーシティ推進宣言」を定め、同大のホームページで発表した。同大はすでに、2018年に「ダイバーシティ推進のための方針」を定めているが、宣言では新たに「性的指向・性自認」への言及を盛り込むなどした。
宣言では、建学の精神として掲げる「良心教育」に触れ、「共に知る(conscience)」ことが「良心」の原義であることを説明。創立以来、異なる考え方や価値観を共に知ることを実践し、互いを理解し合う機会を創出してきたと、これまでの歴史を振り返った。その上で、自身と異なる価値観や境遇を持つ他者を理解し、共生・共存する中で、その違いを新たな創造へ導く力を持つ人物を養成するために、ダイバーシティー推進の具体的な取り組みとして次の4つを掲げた。
1)国籍、性別、障がい、性的指向・性自認、文化、宗教、思想信条など、さまざまな背景を持つ同大構成員が、共に学び、共に働くことができるキャンパスを形成する。
2)同大構成員が、教育や研究、その他の活動の場において個々の能力を十分に発揮し、多様な人々が等しく参画できる環境づくりを目指す。
3)合理的配慮を要する同大構成員に対する支援体制を整え、社会的障壁の除去に対する理解の醸成を促進する。
4)ダイバーシティーに対する意識の啓発を推進し、あらゆる人々の人権を尊重できるダイバーシティーの視点に立った人物を養成する。
このうち第1項目は、方針では「人種、国籍、性別、障がいの有無、文化、宗教、思想信条」とされていたが、宣言では「国籍、性別、障がい、性的指向・性自認、文化、宗教、思想信条」に変更され、「人種」が削られ、「障がいの有無」が「障がい」とされる一方、新たに「性的指向・性自認」が盛り込まれた。