2018年11月の発刊以来、幾度も版を重ねている『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』(以下『せかゆる入門』)。また、その続編である『上馬キリスト教会ツイッター部の世界一ゆるい聖書教室』(以下『せかゆる教室』)も、売れ行きが好調だという(詳細はこちら)。
上馬キリスト教会のツイッターを駆使した活動は、人々の耳目を集め、新聞、雑誌などのメディアで注目されていった。昨年は、春ごろから関西圏のローカル深夜番組やヤフーニュースなどでも取り上げられるようになっていった。
筆者(青木保憲)は、第一作『せかゆる入門』を発売日に購入している。そして、他の人たち同様、大いに感銘を受けた者の一人である。そこでフェイスブックを通して、上馬キリスト教会のツイッターの「まじめ担当」であるMAROさんこと、横坂剛比古さんに連絡を取り、昨年7月に同志社大学今出川キャンパスで行われている私の講義へ招待させていただいた(詳細はこちら)。
そして昨年12月18日、今度は同志社京田辺キャンパスで行っている授業に来会していただくことができた。その前月には新刊『せかゆる教室』が発刊されていたため、その辺りの話も含めてお伺いできることを期待しての再度の招待であった。
ここでいう「招待」とは、筆者個人がMAROさんをお招きしたというのが本当のところで、どこからかその資金が援助されているわけではない。筆者の立場は「嘱託講師」であり、外部から授業のために講師を招くような権限は与えられていない。端的に言うなら「自腹」である(笑)。
まったくのボランティアであるにもかかわらず、快く来会を承諾してくださったMAROさんには心から感謝したい。同時に、持ち場も立場もまったく異なる両者でありながら、紋切り型の「キリスト教の伝え方」に対し、閉塞感を同じように抱いてきたという一点において共鳴し合えたと、(僭越〔せんえつ〕ながら)思わされている。
2020年初頭、新たな時代にマッチした「現代キリスト教伝道」について、「せかゆる」現象を題材にして考察していきたい。
MAROさん、再び京都へ!
「12月なら行けそうです」と連絡をいただいたのは、昨年11月半ばのことであった。折しも新刊『せかゆる教室』が発刊となり、各地で販促が行われつつある時期だけに、「今回は難しいかな?」と半ば諦めかけていたが、筆者からの連絡を覚えていてくださったのだ。そして話し合いの結果、12月18日(水)に京田辺キャンパスへ来ていただくことが確定した。
これに伴い、学生たちにレポートの締め切りを繰り上げる連絡を入れることとなった。授業の中で『せかゆる教室』に言及するとともに、その読書感想文を提出してもらうのが課題であったからだ。
春学期に比べると今回は100人以下の受講生であったため、MAROさんには学生全員分の感想文に目を通してもらえることになる。MAROさんにとって、読者層として想定していた若い世代から生の声が聞けることは、何よりもうれしいことであろう。昨年7月にお呼びした際も、講演前日に夜遅くまでレポートを読み返し、そして次の日の講義でもそのことに触れられていた。
もちろん事前に学生たちから質問も受け付けておいた。いろいろ面白い質問があり、しかもかなり内容的に「アブナイ」ものも含まれていた。例えば「作家の印税ってどれくらいですか?」という質問。お伝えすべきかどうかかなり迷ったが、ここは赤裸々に語ってもらおうと考え、思い切ってそのまま送信させていただいた。
後からおっしゃられていたが、こういう学生からのストレートな質問に出会えることこそ、こうしたライブ感あふれる講演の醍醐味(だいごみ)らしい。そういった意味で、筆者から見れば「アブナイ」と思われる質問が、MAROさんの手元に届いたことで、「良い質問(?)」に生まれ変わってしまったようである。
突然の取材依頼が!
そして前日。教会のクリスマスイベント真っ最中の昼下がり、MAROさんから連絡が入った。電話に出てみると、少しためらいがちにこう切り出された。「実は、明日の同志社大の講義を毎日放送が収録したいと言っているのですが・・・」。そこから時間が一気に加速した。
同志社大に問い合わせること数分後、メールが届いた。「青木先生がよろしければ、テレビ取材をどうぞお受けください」とのこと。そこから慌ててテレビ局の人との打ち合わせ連絡が始まった。テレビの取材クルーは、単にMAROさんの密着取材だけが目的ではなかった。
「青木先生にも幾つかお伺いしたいことがあるのです。例えば、ローマ教皇の来日についてとか、教皇やダライ・ラマがSNSを駆使して布教活動をしていることに対するコメントを頂けたらと思います」
詳しく聞くと、私も映像を撮られ、幾つかのインタビューを受けることになっているとか・・・。これは軽い気持ちで明日を迎えることはできないぞ、と思わされた。
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