人気ツイッター「上馬キリスト教会」の「中の人」の一人(まじめ担当)で、『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』(以下『せかゆる』)の著者の一人である横坂剛比古さんが、同志社大学で600人以上の学生を前に講演を行った。同大嘱託講師の青木保憲氏が教鞭を執る全学部共通科目「建学の精神とキリスト教」で、『せかゆる』が今年度からサブテキストとして採用されたことで実現した。以下、青木氏に当日の模様をレポートしてもらった。
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7月9日(火)の第3講時、横坂さんが来校してくれました。私が担当する「建学の精神とキリスト教」(以下「建キリ」)は、同志社大学の今出川キャンパス内でも最大の教室で行われています。『せかゆる』に出会い、今年度からこの科目のサブテキストとして用いることにしたことで、横坂さんと話がまとまり、今回の講演になったわけです。
学生たちは事前に『せかゆる』を読み、レポートを提出しています。ちなみに「建キリ」を受講している学生は、今出川キャンパスが約600人、京田辺キャンパスが約250人です。合計850人以上の学生たちが書いたレポートを読みました。その中から選りすぐり(?)の400枚くらいを、事前に横坂さんに届けています。横坂さんはこれを、講演前の晩に読まれたとのことでした。
ここだけの話ですが、通常の講義出席者は、600人の登録に対して450人くらいです。しかしなぜかこの日だけは600人近くの席がほぼ埋まっていました(笑)! 学生たちの期待度が分かる現象でした。逆に私の通常講義は・・・。これについては触れないことにしましょう。
さて、600人以上の学生たちの前に立った横坂さんは、約1時間の講演をほぼアドリブで行っていました。なぜレジュメやプロジェクター資料を作成しないのかと尋ねると、「学生たちのリアルな雰囲気を感じて、あれこれと話せたらと思います」という返答がありました。常に「目の前の聴衆」とのインタラクティブな関わりを大切にする姿勢なのだな、と思いました。
気になる講演内容は、『せかゆる』のイメージ通り、とても「ゆるい」流れで、いったいどこへ話が行きつくのか分からないような、そんな滑り出しでした。しかし、所々でサクッとポイントとなる「格言」が飛び出します。そのギャップに学生たちは思わず笑い声を発することになるのです。例えばこんな具合です。
「みなさんは、教会ってとても敷居の高い所だと思っていませんか? どんな人種が教会の中にはいるんだろう? どんなことを毎日してるんだろう? そう思いませんか?」
――ここでうなずく学生たち。
「はっきり言いましょう。皆さんとほとんど変わりのない人たちがいますよ。そして普通に生きてます。ただ、一つ違うとしたら、まあ、みんな『神様の前に自首して来た』、ということかな・・・」
――ここで爆笑。
次いでこんな感じ。
「みんな聖書の話しをどう思いますか? 海が分れたり、火が降ってきたり、奇跡が起こったり・・・。とても信じられない? でも、私は聖書に書いてることをすべて事実だと信じています。どうしてかって? だってその方が楽しいから!」
――ここで小さなどよめき。
横坂さんはこんな調子で、あえて学生たちの世界観を覆すような語りを展開していきました。目の前で聴いていた一部の学生たちは、一生懸命メモを取っていました。中には私には見せたこともないような笑顔を見せ、笑ったり手をたたいたりしていました。
講演後、何人かの学生が著書を持ってきて、横坂さんからサインをもらっていました。
以下に、学生たちからのコメントを抜粋します。
「本もゆるかったけど、横坂さんもゆるい感じでよかった」
「聖書の出来事を信じた方が楽しいから、という理由に共感できた。自分も信じようと思う」
「悪いことはみんな悪魔のせいにしたらいい、という考え方に納得。心が軽くなった」
「『自分を愛するように他人を愛せ』とは、まず『自分を愛すること』ができるかなのだ、という話しがとても心に残った」
「神の前に『自首した人たちの集団』が教会なら、自分もちょっと顔出してもいいかと思う」
「神様が寂しがり屋だったとは、知らなかった。だから愛してくれるのか」
「続きの本が読みたい」
「ブレないで継続することの大切さを教えられた」
来年もこのような企画をできらたら、と現在検討中である。
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