11日に召天したグレース宣教会長老牧師、堀内顯(あきら)氏の「天国歓送礼拝」が13日、大阪府八尾市のグレース大聖堂で行われた。コロナ禍を考慮して近親者と牧会チーム、教会の関係者で執り行われた。
堀内氏は1965年に八尾市でグレース宣教会を始め、55年にわたり牧会した。地元の多くの人々に福音を伝え、キリストの弟子を生み出し続けた。プレハブからスタートした教会は、今では八尾市を中心に20のチャペルを持つ、関西圏で最も大きなプロテスタント教会の一つになった。また、日本国際飢餓対策機構(ハンガーゼロ)の初代理事長や社会福祉法人「キングスガーデン三重」の理事長などを務め、人々に全人的に寄り添う共生の実践を目指した。
喪主で妻の明子さんは、眠るように天国に行きたいという本人の願い通り、「聖書に『あなたのいのちは霧のように消えていく』と書いてある通りに、静かに天国に上げられてまいりました」と最期の様子を伝えた。
堀内氏の人柄について、ヨハネの福音書1章14節「この方は恵みとまことに満ちておられた」を引用し、「主人は『僕はイエス様のようになりたいんだ』とよく言っておりました。ですから、すごく厳しい面があるのです。でも、何ともいえない優しさがあるのです」と話した。また、自宅によく人を招いてもてなし、いつも時間を忘れるほどにぎやかな食卓だったと振り返り、「本当に楽しい伝道生活を送られて、幸せを感じさせていただいた生涯でした」と語った。
同教会代表牧師の藤崎秀雄氏が、ヨハネの福音書11章21〜27節を本文に「新しい出発」と題してメッセージを伝えた。堀内氏からの「遺言」とし、「もし皆さんの中で、神の約束をまだ信じていない方がいるならば、あなたのために十字架にかかり、あなたが新しく生まれ変わるために、あなたの罪の身代わりとして神の裁きを受けられ、復活されたイエス・キリスト様は、あなたを変えることができる、救うことができる方なのです」と力を込めた。
この礼拝は、堀内氏自身にとっても、遺族にとっても、参加したすべてのキリスト者にとっても「新しい出発」と強調。グレース宣教会の関係者には「天に一人を送り、地上に一人減った事実を受け止めながら、共に生きる共生の教会を立ち上げてまいりましょう」と語り、参加したすべてのキリスト者に対しては、「この地上にあって世界中に向かって共に生きる生活をしっかりと伝え、生きてまいりましょう。光を光として輝かせ、日々を歩んでまいろうではありませんか」と訴えた。
最後に、この礼拝から新しく出発するすべての人に詩篇121篇5〜8節を贈り、「堀内顯という人物が、89年間の生涯を通してイエス様に突き動かされ、御言葉に生き、そして始められた、共に生きるという共生の教会を、そして共生の歩みを、この世界の中で歩み続けてまいろうではありませんか」と呼び掛けた。
礼拝の模様は英語と韓国語にも通訳され、同教会のユーチューブチャンネルで公開されている。記念会は、コロナ禍が落ち着いてから開催する予定。