ミャンマーでは11月8日、コロナ禍にあって総選挙が実施された。投票日2カ月前から選挙期間が始まるが、ミャンマーではコロナ感染者増加と時期的に重なり、選挙活動は大幅に制限された。
結果的にアウン・サン・スー・チー国家顧問率いる与党の国民民主連盟(NLD)が大勝し、単独で過半数の議席を確保した。得票のほとんどが多数派のビルマ人によるもので、一方シャン州やラカイン州の一部地域では治安悪化を理由に投票が中止され、事実上150万人もの投票権が奪われた。その多くが政府に批判的な少数民族の投票権だった。
2017年に80万人もの難民を出したイスラム民族ロヒンギャ問題では、軍による掃討作戦を許し、ノーベル平和賞受賞者であるスーチー氏だが、国際的な猛批判が相次いだ。
今回の選挙ではロヒンギャの投票権も奪われ、現在のミャンマーでは少数民族が政治的に締め出されつつある。
ビルマ人にも少数民族にも福音が行き届き、平和の主がこの地域の分断を癒やされるように祈っていただきたい。
■ ミャンマーの宗教人口
仏教 80・0%
プロテスタント 6・8%
カトリック 1・3%
英国教会 0・2%
イスラム 7・2%
ヒンズー 0・4%