ソニーの子会社で映画事業を手掛けるソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)は12日、米国とカナダでキリスト教信仰をテーマにした映画やテレビ番組を専門に配信する米ピュア・フリックスを買収すると発表した。配信サービス大手を目指すソニーは、キリスト教コンテンツで幅広い支持を集める同社を取り込み、配信サービス分野の強化を図る。
2005年に設立したピュア・フリックスは、世界的なヒット作となった「神は死んだのか」(原題:God's Not Dead)など、キリスト教信仰をテーマにした人気映画やテレビ番組を製作し、動画配信サービスの固定ファンを獲得してきた。
SPEも子会社の米アファーム・エンタテインメントが07年、キリスト教関連の作品を専門とする映画製作スタジオ「アファーム・フィルムズ」を立ち上げ、これまでに「ソウル・サーファー」や「祈りのちから」「天国は、ほんとうにある」など数々のヒット作を生み出している。今回の買収もアファーム・エンタテインメントを通じて行われる。
発表(英語)によると、ピュア・フリックスの創業パートナーである最高経営責任者(CEO)のマイケル・スコット氏とコンテンツ最高責任者(CCO)のデビッド・A・R・ホワイト氏も、アファーム・エンタテインメントに加わり引き続きコンテンツ製作などに携わる。
SPEのネットワーク・配信部門を統括するキース・レ・ゴイ氏は、「ピュア・フリックスは、強力な会員層を築き上げる素晴らしい仕事を成し遂げてきた。今後も成長を続け、厳選された信仰的な家族向けエンターテイメントで視聴者に喜びを提供できることを楽しみにしている」と述べた。
ピュア・フリックスのスコット氏は、「創造的な機会と、より多くの聴衆にアプローチできる能力が与えられたことに興奮している。これからも皆様の心を動かす高品質のコンテンツを提供し続けていきたい」とコメントした。