8月30日にモンテネグロ議会選挙が実施された。選挙に当たっては、82歳のセルビア正教のアムフィロヒエ司教が、生涯で初めてとなる投票行動に及んだ。
過去30年政権の座に座る与党党首のジュカノビッチ大統領は昨年来、モンテネグロ内にあるセルビア正教会の国有財産化を進めており、隣国のセルビアおよび国内のセルビア正教会から強く反発を受けていた。そのためアムフィロヒエ氏は「与党以外は誰でも」をスローガンに抗議的投票を呼び掛け、今回の選挙に及んでいる。その結果、与党の社会主義者民主党(DPS)が辛くも第一党の地位を死守したものの、議席数を大幅に減らした。そのため単独での過半数確保に失敗し、第2党から第4党までを巻き込む形で連立政権発足に合意している。
セルビアとモンテネグロは、該当の教会国有化法案をめぐって昨年来、関係が著しく悪化していた。モンテネグロ国内の数少ない福音派の牧師らは、長期政権と権力の集中が政治腐敗につながったとして、今回の投票結果を肯定的に受け止めている。
モンテネグロがさらに開かれ、この地で伝道が進み、聖書的キリスト信者が多く起こされるように祈っていただきたい。
■ モンテネグロの宗教人口
正教 71・6%
カトリック 5・3%
プロテスタント 0・3%
イスラム 15・0%
無宗教 7・8%