外国人と関わりのある特定の事業所に対し、「日本キリスト教団」の名称を不当に用いて「早く日本から出ていけ!」などと記した文書が送られていたことが判明したとし、日本基督教団は29日、「『外国人ヘイト』による人権侵害に抗議する声明」を発表した。「新型コロナウイルスの感染リスクに社会が脅かされる中で、外国人に対するヘイトスピーチなどの人権侵害がもたらされています」と指摘し、「社会の動揺に乗じたいっさいの差別に反対し、この社会に生きるすべての人々の人権が守られるべきことをあらためて表明します」とした。
声明では、「理不尽な憎悪をあらわにした文書によってどれほど深い痛みと傷がもたらされたかを思うと心が痛みます。被害に遭われた方々に慰めと癒やしを切に祈ります」と述べた上で、「このような醜悪な文書に『日本キリスト教団』の名が利用されたことに深い憤りを覚えます」と抗議。「今後、必要な対応措置を行っていく」とし、類似の事例が他にもないか情報提供を呼び掛けた。
「日本基督教団は、すべての人の命を贖(あがな)うキリストへの信仰に基づき、『すべての人と平和に暮らしなさい』(ローマの信徒への手紙12章18節)との御言葉に従って、差別のない社会が実現することを願い祈り、そのための愛による働きにあずかることを志しています」とし、「緊張と不安に満ちた今日の状況の中でこそ、社会の中で弱い立場に置かれた人々が守られ、支えられなければなりません」と述べた。