米国で7日、毎年恒例の「国家祈祷日」が持たれた。例年は全米各地の約6万カ所で、国家のために祈るイベントが開催されるが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大により、インターネットによるライブ配信で開催された。
米国の国家祈祷日は1952年に法制化された国家行事で、88年以降は毎年5月第1木曜日に行われている。第69回となった今年のテーマは、「水が海を覆うように、大地は主の栄光の知識で満たされる」(ハバクク2:14)。ライブ配信では、同祈祷日のキャシー・ブランゼル議長と、世界的伝道者・故ビリー・グラハム氏の孫であるウィル・グラハム氏が司会を務めた。
著名な賛美指導者で歌手のマイケル・W・スミス氏が自宅のスタジオで賛美をリード。サドルバック教会のリック・ウォレン牧師や米キリスト教放送局「CBN」創設者のパット・ロバートソン氏、大衆伝道者のニック・ホール氏、その他複数の上院議員も参加し、それぞれメッセージや祈りの言葉を寄せた。
悔い改めの祈りを導いたオーラル・ロバーツ大学のウィリアム・ウィルソン学長は、ハバクク書について、バビロニア帝国に滅ぼされるという悲劇を目の前に控えたユダ王国に関する預言書だと説明。一方、こうした災いや疫病がどのようにして終わりを迎えるかも描かれていることに触れ、「ユダ王国を襲おうとしていた災い、災難は、神の栄光の知識で地上を満たすという神の目的に役立つものでした」と語った。
「もしかしたら私たちの時代に、神は世界で起こっている新型コロナウイルスのパンデミックを、この地に来たる偉大なリバイバルの前触れとして用いておられるのかもしれません。私は個人的に、米国とこの世界は転換期にあると信じています」
ウィルソン氏は、使徒言行録3章19節の使徒ペテロの言葉を引用しながら、神は、神の民が罪から立ち直るとき、癒やし、新しくされると約束していると強調。その上で、最大のパンデミックは新型コロナウイルスではなく、霊的な罪のパンデミックだと言い、その唯一の治療法はイエス・キリストだと語った。
さらに、連合国軍最高司令官のダグラス・マッカーサー元帥が1951年に語ったという次の言葉を引用。
歴史上、道徳的に衰退した国が政治的にも経済的にも衰退しなかったという前例は一つもありません。あったのは、道徳的堕落を克服するための霊的な覚醒か、あるいは究極の国難につながる進行性の悪化のいずれかです。
その上でウィルソン氏は、「私たちは今、大覚醒の始まりにいると信じています。神がこの疫病を前触れとして許しておられると信じています。この疫病は神の前を行くものであり、神の民が邪悪な道から立ち返って神に立ち戻るならば、神はこの疫病の後に続き、世界中にその栄光を注ぎ出されるでしょう」と語った。
この日は、ホワイトハウスでも国家祈祷日の行事が行われ、ドナルド・トランプ大統領とメラニア夫人、マイク・ペンス副大統領らが出席。新型コロナウイルスと闘う医療従事者や感染者とその家族のために祈りをささげた。