ローマ教皇フランシスコは3日、正午の「アレルヤの祈り」で、5月14日(木)を「祈りと断食の日」とし、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の収束のために、諸宗教の指導者や信者と共に心を合わせて祈り断食するよう呼び掛けた。バチカン(ローマ教皇庁)公営のバチカン・ニュース(日本語版)が同日伝えた。
バチカン・ニュースによると、これは昨年8月にバチカンで設立された「人類のきょうだい愛のための高等委員会」(議長・ミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット枢機卿)の提案を受けたもの。同委は昨年2月、教皇がアラブ首長国連邦(UAE)を訪問し、イスラム教スンニ派の最高学府であるアズハル大学(エジプト)の大イマム(イスラム教指導者)、アフマド・タイイブ氏と「世界平和のための人類のきょうだい愛」に関する共同宣言を発表したことが契機となり、設立された。
同委は最近発表した声明で、新型コロナウイルスのパンデミックにより、多くの人の命が脅かされていることを踏まえ、創造主なる神に救いを求め、感染症対策のために研究を続ける科学者らのために、断食したり愛徳の業を行ったりするとともに、祈るようアピール。5月14日に世界の宗教指導者、信者が共に祈り断食することを提案していた。
教皇は4日、ツイッター(英語)でも5月14日の祈りに言及。人類が新型コロナウイルスによる危機を乗り越えるため、神に助けを求めて祈り断食するという同委の提案を歓迎すると述べている。