新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米プロテスタント最大教派である南部バプテスト連盟(SBC)は、6月に予定していた年次総会を中止すると発表した。SBCの機関紙「バプテストプレス」(英語)が24日報じた。
今年の総会は、6月9~10日にフロリダ州オーランドで予定され、約1万2千人が参加した2010年の総会以来、最大の参加者が見込まれていた。SBCのジェームズ・デビッド・グリアー議長(サミット教会牧師)は、総会中止を残念だとしながらも、危機的な状況の中で必要な措置だったと語った。
「私たちは、他の何よりも福音を守ることに専念する者たちです。そして私たちの集まる目的はただ一つ、宣教のためであり、宣教のために協力することなのです。今年、通常とは状況が一変したことを鑑みると、その目的を達成するための最善の方法は集まらないことでした」
SBCが総会を中止するのは、第2次世界大戦末期の1945年以来。この年は、創立100周年の節目の年で記念行事も予定されていたが、米政府が50人以上の集会を禁止して総会は中止になり、記念行事も翌年に延期された。
来年の総会は、テネシー州ナッシュビルで6月15~16日に開催される。グリアー氏は次期総会を見据え、次のように意気込みを語った。
「SBCの本部は、ナッシュビルでもなければオーランドでもありません。その奉仕がなされる第一の場所は、総会の会場ではありません。SBCの本部とはすなわち、各地域の教会一つ一つなのです。私たちの力は、説教台と会衆席にこそあるのです。神様は私たちに新しい挑戦を与えてくださいました。そして、神様はご自身が約束された通り、その挑戦にふさわしい恵みを施してくださることでしょう。ナッシュビルで2021年に集まるとき、今までのどんな時よりも私たちが強められているように、そして神様が共にいてくださったのだと喜ぶことができるように祈ります」
新型コロナウイルスは世界的に感染が広がっており、24日時点で感染者は世界で約40万人、死者は約1万7千人に上っている。米国でも、感染者約4万6千人、死者約600人と、その数は日々増加している。