日本聖書協会はこのほど、昨年12月に発売した「聖書協会共同訳」の訂正箇所一覧を公式サイトで公表した。公表された訂正箇所の決定日はすべて8月30日付。ルビの訂正や漢字・平仮名の表記変更などがほとんどだが、中には一文がそっくり抜け落ちていた箇所もある。訂正は順次、重版、新版に反映されていく。
公表された訂正箇所一覧によると、訂正箇所は本文では、旧約54、旧約続編17、新約15の計86箇所。本文以外でも、凡例や地図、小見出しなどで計15箇所の訂正があった(いずれも9月6日時点)。多くは、【照(てら)らせ→照(て)らせ】(創世記1:15)、【目撃者(もくげきもの)→目撃者(もくげきしゃ)】(サムエル上23:22)などのルビの訂正や、【攻撃してきたら→攻撃して来たら】(創世記34:30)、【良い→よい】(レビ6:21他)、【調え→整え】(イザヤ65:11他)などの漢字・平仮名の表記変更。
一方、出エジプト記14章12節は、【荒れ野で死ぬよりはエジプト人に仕えるほうがましです。」】が、【私たちはエジプトであなたにこう言ったではありませんか。『放っておいてください。私たちはエジプト人に仕えます。荒れ野で死ぬよりはエジプト人に仕えるほうがましです。』」】に訂正される。初版では、【私たちはエジプトであなたにこう言ったではありませんか。『放っておいてください。私たちはエジプト人に仕えます。】の部分が丸ごと抜け落ちていたことになる。
「聖書協会共同訳」は昨年12月、「新共同訳」以来31年ぶりとなるカトリック、プロテスタント共同による新しい訳の聖書として発売された。昨年発売されたのは、中型(B6判)の引照・注付き2種(旧約続編あり・なし)のみだが、今年は引照・注なしの「スタンダード版」として、9月には小型(A6判)2種(旧約続編あり・なし)が、11月には中型(B6判)3種(旧約続編あり・なし・新約〔詩編・箴言付き〕)が発売される予定。