18日夜に山形県沖で発生した地震(マグニチュード6・7=暫定値)では、新潟県村上市で震度6強、山形県鶴岡市で震度6弱の揺れを観測した。総務省消防庁の19日朝の発表によると、地震による負傷者は両県と宮城、石川を含む4県で26人。新潟県燕市の重傷1人を除いて他は軽傷で、最も多かったのは鶴岡市の10人だった。
地震から一夜明けた19日午前、村上、鶴岡の両市にある教会に状況を尋ねたところ、カトリック鶴岡教会ではイエス像などが倒れて破損するなどの被害があったが、他は特に被害はなく、付属の幼稚園や保育園も通常通り運営されていた。
日本基督教団村上教会(村上市山居町)
付属の認定こども園「村上いずみ園」の赤羽正春園長によると、地震による建物への被害はなく、周辺でも家屋が倒壊するなどの被害は聞いていないという。昨夜は1分くらい続く大きな揺れがあり、跳び起きたというが、同園は地震発生翌日の19日も開園し、通常通り運営している。
日本同盟基督教団村上福音キリスト教会(村上市羽黒口)
教会の建物に被害はなく、教会員からも被害の報告は入っていない。教会堂は昨年献堂した平屋建ての新しいもので、海からも離れていたことから、津波も含めて大きな心配はなかったという。面曻(ほうつき・のぼる)牧師の妻のあさのさんによると、昨夜は最初にドンという大きな揺れがあり、その後1分くらい強い横揺れがあった。外的な被害はないが、「皆さん不安がられていますので、心のケアを行っていければ」と語った。
カトリック鶴岡教会(鶴岡市馬場町)
楊成源(ヤン・チェンユアン)主任司祭によると、教会内にあった約90センチのイエス像と、約40センチのフランシスコ・ザビエルの像が地震によって倒れ、破損する被害があった。教会の建物内部にも少しひびが入っている箇所があるが、それ以外に被害はなく、付属のマリア幼稚園は19日も通常通り運営している。
日本基督教団荘内教会(鶴岡市本町)
「震源地はすぐ目の前の海の下ということで、結構揺れました。もう少し揺れが大きいと被害が出たと思います。寸前で踏み留まったという感じ」。矢澤俊彦牧師は、地震発生当時の様子をそう振り返った。付属の荘内教会保育園で働くスタッフなどからは、山形・新潟の県境沿いの一部で、ガラスが割れるなどの被害があったことは聞いたが、家屋が倒壊するなどの大きな被害は聞いていないという。近くにある日本基督教団鶴岡教会(同市若葉町)も、矢澤牧師が歩いて見に行ったが、外的な被害は見られなかった。
インマヌエル白山キリスト教会(鶴岡市白山)
建物の被害はなく、庭も液状化などは見られず無事だった。昨夜、教会員で1人避難した人がいたが、すでに帰宅しており、一部を除いて教会員全員の無事が確認できている。地震発生時、教会の2階にいた茅根(ちのね)久子牧師によると、揺れにより引き戸が行ったり来たりし、小さな物が落ちるなどしたが、大きい物が落ちたり倒れたりすることはなかった。茅根牧師は、酒田市で7年、鶴岡市で7年と、山形県内で14年間牧会しているが、このような大きな地震は、酒田時代に経験した2007年の新潟県中越沖地震、11年の東日本大震災以来だという。