熊本地震の犠牲者を追悼し、復興を願う合同祈願式が4月26日、キリスト教を含む14宗派の団体から約50人が参加して、熊本城近くの熊本大神社で行われた。世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会が主催した。キリスト教界からは、WCRP日本委理事であるカトリック長崎大司教区の髙見三明大司教と日本福音ルーテル健軍教会(熊本市)の小泉基牧師が参加し、祈りをささげた。
祈願式では、12宗派の団体の代表者が、それぞれ約3分ずつ祈りをささげた。祈りの後には、熊本県神社庁の宮崎國忠庁長が「大変ありがたい場と時を持つことができ、感謝致しました」と謝意を表明。被災当時の状況や現状を説明した上で、「これからが正念場」として、復興のための継続した応援を求めた。
熊本地震では、発生から2年がたった現在も、約3万8千人が県内外で仮設住宅暮らしをしている。ピーク時からは約1万人が減少したが、生活再建の道のりがまだ遠い人々が多くいる。WCRP日本委では震災後に「おうえんプロジェクト for くまもと」をスタート。障がい者や高齢者、子ども、妊婦、外国人など、弱者に対する支援活動を行っている団体に対し、財的支援を行っている。
WCRP日本委の熊本地震復興タスクフォース責任者である黒住宗道氏(黒住教教主)は、「東日本大震災でも行っている被災地支援のノウハウを生かしながら、避難所などで弱い立場に置かれる、特別な配慮を必要とされる方々への支援など、熊本でも宗教者としてできることを行っていきたい」と述べた。