東京基督教大学(千葉県印西市)の国際宣教センター内に設置されている日本宣教リサーチ(JMR)は8日、日本のキリスト教界の教勢統計などをまとめた「JMR調査レポート(2018年版)」を発表した。それによると、17年度の日本のキリスト教信者数の概数は105万人で、対人口比で0・83%だった。前年度と比較すると、対人口比は0・82%から0・01%上昇したが、信者数の概数自体に変化はなく、「2010年度以降、カトリック、オーソドックス、プロテスタントとも減少傾向に陥っていることには変わりはない」としている。
教派別では、カトリックが44万人(対人口比0・35%)、オーソドックスが1万人(同0・01%)、プロテスタントが60万人(同0・47%)。教会数の概数はそれぞれ、970、70、8000で、日本には約9040のキリスト教会が存在することになる。教師数(聖職者数)は約1万700人だった。
このうちプロテスタント(聖公会を含む)については、教団別の統計が出ている。教会員数は、日本基督教団(16万7千人)が最も多く、2位が日本聖公会(4万8千人)、3位が日本バプテスト連盟(3万4千人)、4位が日本福音ルーテル教会(2万2千人)、5位が日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団(1万2千人)だった。
一方、教会員数に対する礼拝者数の割合で見ると、上記5教団では、日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団(98%)が最も高く、次いで日本バプテスト連盟(36%)、日本基督教団(30%)、日本福音ルーテル教会(16%)、日本聖公会(15%)の順になる。また上記5教団以外も含めると、礼拝者数による順は、1位が日本基督教団(5万人)、2位が日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団(1万2千人)、3位が日本バプテスト連盟(同)、4位が日本同盟基督教団(1万1千人)、5位が日本福音キリスト教会連合(8千人)だった。
プロテスタントの教団を11グループに分類した統計では、「改革・長老系」を除いて、すべてのグループで教会員数が減少した。特に「ウェスレアン・ホーリネス系」(前年比2800人減)、「エキュメニカル」(同2700人減)、「単立教会、無教派、無教会」(同1400人減)で減少が目立ち、全体では約9200人減少した。礼拝者数も「改革・長老系」と「バプテスト・メノナイト系」を除いたグループすべてで減少し、全体では約3900人の減少。教会数も全体で57減少した。
世界の宗教人口については、『ブリタニカ国際年鑑』を基に1995年度と2017年度の比較が行われている。この20年余りで、キリスト教人口は19億3千万人から24億5千万人に増加したが(伸長率127%)、人口に占める割合は33・7%から32・9%(同97・7%)に減少した。一方で、イスラム教人口は11億人から17億5千万人に増加し(伸長率159・3%)、人口に占める割合も19・2%から23・6%(同109・8)に増えた。
2017年度の世界のキリスト教人口のうち、教派別ではカトリックが12億4千万人(50・7%)で半数を占め、プロテスタントが5億5千万人(22・6%)、東方正教会(オーソドックス)が2億8千万人(11・6%)、その他が3億7千万人(15・1%)だった。
JMRは、30年以上にわたって日本の教会に関する情報を提供してきた教会インフォメーションサービス(CIS)の働きを継承する形で2014年に発足した。JMR調査レポートは、毎年公表される種々の統計を取りまとめ、「日本宣教を考える上での客観的なデータの提供」を目的とした報告書。日本のキリスト教界の教勢に関するデータは、『キリスト教年鑑』『日本カトリック司教協議会イヤーブック』『クリスチャン情報ブック』のほか、各教団発行の資料などを基にしており、「このような調査を行うことによって、日本宣教のパラダイム転換に少しでも寄与していければと願っています」としている。