大陸別のクリスチャン人口を調べた最新の調査によると、これまで最も多くのクリスチャンが暮らす大陸であった南米を上回り、アフリカが1位になった。
米ゴードン・コンウェル神学校の世界キリスト教研究センター(CSGC)が発表した資料(英語)によると、アフリカには6億3100万人余りのクリスチャンが暮らしており、総人口の45%を占める。一方、南米には6億100万人のクリスチャンがいると見込まれており、絶対数ではアフリカに劣るものの、人口に占める割合は92%に上る。
CSGCが昨年、実施した調査(英語)では、アフリカのクリスチャン人口は5億8200万人で、南米が5億9100万人とわずかに上回っていた。
アフリカ、南米に次いでクリスチャンが多い大陸は、欧州で5億7100万人。総人口の77%を占める。アジアは4位で3億8800万人だが、総人口に対する割合は9%にすぎない。アジアは2017年から18年にかけて、クリスチャン人口に大幅な増加が見られなかった唯一の大陸でもある。
5位は北米で、クリスチャン人口は全体の76%を占める2億7700万人。最後はオセアニアの2900万人で、総人口の71%に当たる。
なお、米CBSニュース(英語)によると、アフリカでクリスチャンの人口比が最も高い国はザンビアで、国民の95・5%がキリスト教を信じている。次はセーシェルで94・7%、そしてルワンダが93・6%と続く。
CSGCの調査は、世界キリスト教データベース(英語)によるもので、キリスト教のカテゴリーにはカトリック、プロテスタント、正教会、その他が含まれる。ただし、「無所属」および「重複」は除外されている。
内訳を見ると、最も多いのはカトリックで、クリスチャン全体の49%を占める。プロテスタントは22%、正教は12%、その他が17%だった。
このうち、プロテスタント・その他に分類される教派では、ペンテコステ・カリスマが最も多く13・5%、次いで聖公会(3・8%)、無教派(3・5%)、バプテスト(3・4)、合同教会(2・8%)、ルーテル(2・6%)、改革・長老(2・6%)、メソジスト(1・3%)と続いた。なお、この調査では、エホバの証人(0・8%)と末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教、0・7%)も、プロテスタント・その他に区分されている。
国単位の教派ランキング(データは2015年)では、ブラジルとメキシコのカトリック教会が、それぞれ1億4955万人と1億1123万人で1位と2位を占め、ロシアのロシア正教会(1億965万人)と中国の政府非公認教会である「家の教会」(8240万人)がそれぞれ3位と4位に付けた。5位以降は、フィリピン、米国、イタリア、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、コロンビア、スペイン各国のカトリック教会が独占した。
プロテスタント・その他に限った国単位の教派ランキングでは、中国の家の教会と、政府公認の三自愛国教会(2600万人)が1位と2位を占めた。次いで、ブラジルのアッセンブリーズ・オブ・ゴッド教会(2500万人)、ドイツのドイツ福音主義教会(2445万人)、英国の英国国教会(2340万人)、ナイジェリアのナイジェリア聖公会(2200万人)、米国の南部バプテスト連盟(2000万)が続いた。
米国の世論調査機関「ピュー研究所」によると、2015年現在、世界最大の宗教は依然としてキリスト教で、クリスチャンは世界人口の31%に当たる23億人を占めている(CSGCの調査では、2018年の世界のクリスチャン人口は25億人で、全体の33%となっている)。
同研究所の調査によると、イスラム教徒は世界に18億人おり、ヒンズー教徒は11億人で、12億人は特定の宗教に所属していないとしている。