学校法人プール学院(大阪市生野区)の新理事長に、ソニー出身の吉田幸一氏が就任した。同学院が運営するプール学院中学校・高校(同)の校長も兼務する。就任はいずれも1日付。任期は、理事長が23年3月末までの4年、校長が22年3月末までの3年。杉山修一前理事長、内海伸晃前校長の任期満了に伴うもの。杉山氏はプール学院の学院長も務めており、新学院長には日本聖公会大阪教区主教で学校法人桃山学院学院長の磯晴久氏が就任した。
吉田氏は1954年生まれ。早稲田大学大学院法学研究科修了。ソニー本社勤務時代には、国内外のマーケティング部門のほか、人事や総務、環境、法務などの分野で働いた。また、経済産業省や環境省の委員会では業界代表委員を務めた。退職後は、神奈川、東京、静岡の3都県の中学校や高校で民間人校長として活躍。2013年には日本における最高の教育賞とされる「読売教育賞」を受賞している。
理事長としてのあいさつでは、「キリスト教精神に基づいた愛と奉仕の担い手であるサーバント・リーダーの育成」など5項目を掲げた建学150周年に向けた計画を紹介し、「一層の教育の拡充とすべてのステークホルダーの負託に応える学院経営を担ってまいります」とコメント。校長としてのあいさつでは、生徒たちが社会の変化に対応していく力を身に付けられるよう重点的に取り組んでいくとし、「『真理はあなたがたを自由にする』をモットーとし、キリスト教精神に基づく人格教育を礎に、学習の到達目標を可視化し、成果と課題を次のステップの学習活動に結び付けていきます」と述べている。
プール学院は1879年、英国国教会(聖公会)の宣教組織「東洋女子教育協会」(FES)から派遣された女性宣教師メアリー・J・オクスラドにより、大阪の川口外国人居留地に「永生女学校」として設立された。その後、大阪に初めて派遣された英国国教会の主教A・W・プールを記念して「普溜(プール)女学校」に改称。戦時体制下には当局により「聖泉高等女学校」とされるが、戦後に現在の「プール学院」となった。
1996年には「プール学院大学」を開学したが、同じ聖公会系の桃山学院と設置者変更で合意し、同大は昨年4月から「桃山学院教育大学」として桃山学院が運営している。プール学院としては現在、「プール学院中学校・高校」の他に「プール学院短期大学」(大阪府堺市、作野理恵学長)を運営している。