ゴスペルの本場、米ニューヨーク・ハーレムを代表するゴスペルディレクターのグレゴリー・ホプキンス氏が初来日し、2日に東京・池袋の日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団中央福音教会、9日には大阪の江坂ホールでコンサートを開催した。東京の会場は来場者で満席となる中、ホプキンス氏のワークショップを事前に受け、この日のために結成された総勢90人のクワイアが「トータル・プレイズ」など5曲を披露した。
今回の来日ツアーを企画したのは、ニューヨーク在住中にホプキンス氏に師事し、日本語通訳も担当していたゴスペルシンガーの蔵本順さん。東京では、塩谷美和さんが総合ディレクターを務める池袋ゴスペルミュージックワークショップ(池ゴス)と、新宿シャロームゴスペルミニストリーが協力した。また、ホプキンス氏が2004年からニューヨークで指導してきた日本人クワイア「Cocolo Japanese Gospel Choir」のメンバーらもスタッフに加わった。
ホプキンス氏は、名テノール歌手の故ルチアーノ・パヴァロッティ氏のツアーサポートを務めるほどの実力者。ハーレムの教会で複数のクワイアを指導するほか、ワシントンの名門ハワード大学とユタ州のウェストミンスター大学で教鞭を執り、若い音楽家の育成に力を入れている。骨格や日本語発声からくる日本人特有の癖を熟知した上で行われる指導を求めて、日本からも多くのクワイアがニューヨークを訪れるという。
東京では2回のワークショップをホプキンス氏が自ら指導し、参加者にゴスペルの意味を伝えた。ホプキンス氏は、曲のスタイルにかかわらず、神をたたえるメッセージを伝える音楽がゴスペルであり、神に最高の賛美がささげられているかどうか以外の点にとらわれる必要はないと強調した。コンサートを終えたホプキンス氏は、「今日ここで、こんなに多くの日本人が、黒人のゴスペルという手法で神様をたたえる日が来るなんて、誰が考えたでしょう。神様は本当に素晴らしいお方です」と語った。
ツアーの全日程を終えて蔵本さんは、「グレゴリー先生にとって初めての日本ツアーにもかかわらず、関東・関西で延べ600名近い方にワークショップ・コンサートに参加いただけたことに心から感謝します。ゴスペルを歌うわれわれは神様からのメッセージを人々に届ける『Mail man(郵便配達員)』であるというグレゴリー先生のメッセージを、参加いただいた多くの皆様に受け入れていただけたことが本当にうれしい。また、東京・大阪両コンサートで巻き起こった、まるでアメリカの黒人教会のような、聖霊に満たされ賛美が止まらない空気感を皆さんと共有できたことは、何物にも代えがたい喜びでした。次回ツアーに向けた準備をグレゴリー先生と始めましたので、ご期待ください」と話した。