先月、元カリフォルニア州知事で俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーの愛娘、キャサリン(29)との婚約を発表した俳優のクリス・プラット(39)が、最近出演したテレビ番組で「ダニエル断食」や自身のキリスト教信仰について語った。
昨年大ヒットを記録した映画「ジュラシック・ワールド / 炎の王国」で主演を務めたプラットが出演したのは、米CBSの深夜トーク番組「レイト・ショー・ウィズ・スティーブン・コルバート」(英語)。番組は「聖書のダイエット」として、プラットが行った「ダニエル断食」を紹介するものだった。
ダニエルは旧約聖書に登場する預言者で、少年時代に異邦の地バビロンに連れて来られ、王の宮廷で仕えることになるが、肉や酒は自分を汚すと考え、野菜だけを食べたとされている。プラットは「ダニエルが食べていたのは果物や野菜、穀物だけでした」と説明。自身が通う教会では最近、21日間にわたって肉や砂糖、アルコールを取らない「ダニエル断食」を行ったとし、プラットも牧師の勧めで参加したと語った。
プラットが通っているのは、ロサンゼルスにあるゾーエー教会(英語)。チャド・ビーチ牧師が2015年に設立した福音派の教会で、若者を中心に毎週1600人ほどが礼拝に参加している。ゾーエーはギリシャ語で「いのち」を意味する言葉だ。ゾーエー教会では、この21日間のダニエル断食が最近終わったところで、ビーチ牧師は自身が食べた食事の写真をインスタグラム(英語)で紹介するなどしている。
ダニエル断食は、米国の福音派教会でよく行われているもので、書籍(英語)や紹介サイト(英語)もある。それによると多くの場合は、ゾーエー教会のように21日間の期間で行い、新年に断食を行う教会では、その時期にダニエル断食を取り入れるところもあるという。
ダニエルはこの他、優秀であったためバビロンで王に重用されたが、他の家臣の陰謀により、ライオンの洞窟に投げ込まれたことでも知られている。しかしダニエルは、神の助けにより、けが一つすることなく助かる。
番組では、司会者のコルバートがそのことについて触れ、プラットに「世間の注目を浴びるセレブとして、自分がライオンの洞窟の中にいるような経験をしたことはありますか」と尋ねた。「ある」と答えたプラットはそれに、名声や葛藤などから来るプレッシャーについて触れ、しかしそれによって謙虚になれるとし、「浴びるスポットライトが、その人の心の中にある光よりも明るければ、その脚光はその人をだめにしてしまう」というビーチ牧師の言葉を紹介した。
スターが浴びる名声という脚光は「本当に明るい」とプラットは語り、「スターには常にそれが付きまとう」とコメント。「時には(多くの人と)自分を分かち合うことが自分をだめにしてしまうこともあります。(自分には)何も残らないからです」とプラット。「ですから、人は分かち合う光を自分の中に持っていないといけません。今、浴びているのと同じくらい明るい光を。そうしてこそ初めて生き残れるし、ある程度自分自身を保てます。そういう光を手放してしまってはいけません。本当にそうです」と語った。
俳優という立場を用いて、時あるごとに自身の信仰を分かち合っているプラットは、過去にはビーチ牧師の著書のおかげで自身の信仰が強く保たれているとも語っている。「私が通うロサンゼルスのゾーエー教会のチャド・ビーチ牧師が書いた本を何冊か読んでいます。彼の著書『Faith Forward Future』はとてもためになります」
またキャサリンとの婚約を発表した際には、「君と結婚することを考えると胸がワクワクするよ。君と一緒に堂々と信仰生活を送れることを誇りに思う。一緒に頑張ろうね」と語っている。
米ピープル誌(英語)によると、2人は「敬虔な結婚式」を挙げる計画をしており、結婚生活の中心に神を置くことを願っているという。
「2人は敬虔な結婚式を望むはず」と2人に近い人物は話す。「私は、クリスがそう望んでいることを知っていますし、彼女(キャサリン)も同じだと思います。2人は神と共に結婚生活を送ることになるでしょう」
この人物によると、キャサリンが自身の信仰について公に語ることを恐れないことを、プラットは高く評価しているという。「彼の周りにいるのは、信仰を持たない人や信仰に引け目を感じる人ばかりです。しかし、彼女の場合はそうではありません。彼女は信仰の話に耳を傾ける人には、喜んで信仰の話をしています」
別の情報提供者によると、2人の挙式は間近で今夏にもあり得るという。
「初めから結婚を応援してもらえるカップルは、そうそういるものではありません。2人の婚約期間はそれほど長くはないでしょう。キャサリンは2019年夏の挙式をすでに話題にしています」
一方、プラットの番組での発言後、同性愛者であることを告白しているカナダ人女優のエレン・ペイジは8日、ツイッターに「そう、いいわ。でも、彼の教会は悪名高いアンチLGBTQ(性的少数者)なんだから、それも話したら?」と、ゾーエー教会を批判する内容を投稿した。
また10日にも続けて、プラットやゾーエー教会のことを名指ししないまでも、「もしあなたが有名な俳優で、特定のグループの人々を嫌う組織に属しているのなら、なぜそれを公表しないのか、誰かが不思議に思っても驚かないでね。アンチLGBTQは間違えていることで、それに賛否はないはず。それがもたらす被害は深刻。(アンチLGBTQは)完全にやめて。すべての人に愛を送ります」と投稿した。
これを受け、プラットは自身のインスタグラムに長文の反論コメントをストーリー(24時間で削除される投稿)で掲載。
「最近、僕が『特定のグループの人々を嫌う』『悪名高いアンチLGBTQ』の教会に通っているようなことを言われたけど、それはまったく事実とは違う。僕は、どんな人でも歓迎する教会に通っている」と、ペイジの言葉を引用しながら語った。
昨年11月に女優のアンナ・ファリスと離婚したプラットは、「聖書が離婚について語っていることにかかわらず、教会はその一つ一つの過程に僕と共にいてくれ、一度も非難することなく、僕の歩みに優しく寄り添ってくれた」と述べ、「彼らは愛と助けの手を惜しみなく施し、僕を助けてくれた。性的指向や人種、性別にかかわらず、彼らがそうしているのをあらゆる場面で見てきた」とつづった。
そして最後には、イエスは「あなたがたに新しい掟(おきて)を与える。互いに愛し合いなさい」(ヨハネ13:34)と言われたと、聖書を引用しつつ「この言葉が、人生において僕を導いてくれる。彼は愛、受容、そして赦(ゆる)しの神。ヘイトは僕の中にも、また世界にもいらないものだ」と語った。