ローマ教皇フランシスコは17日午前、前田万葉(まんよう)枢機卿(大阪教区司教)ら日本からの訪問団とバチカンで面会し、2019年末にも被爆地の広島と長崎などを訪れたいとする意向を示した。教皇は9月、天正遣欧使節顕彰会(宮崎市)の関係者らと面会した際、来年の訪日意向を初めて表明。今回さらに具体的な日程と訪問地を言及したことになる。
共同通信(英語版)が前田枢機卿の話として伝えたところによると、教皇は訪日中、被爆者のための祈りをささげる見込み。
17日は教皇の82歳の誕生日だった。バチカン放送(日本語版)によると、前田枢機卿と訪問団約30人がバチカン宮殿の一室で面会。訪問団は教皇に誕生ケーキを贈り、「ハッピー・バースデー」を歌い届けた。教皇は訪れた一人一人と親しくあいさつを交わし、次回は日本で会おうと話したという。
教皇の訪日はこれまでも、安倍晋三首相をはじめ、行政からも日本のカトリック教会からもさまざまな形で要請されてきた。また被爆地の訪問をめぐっては、広島と長崎の両市長が5月、連名で訪日を要望する親書を手渡していた。
来年の訪日が実現した場合、1981年2月に先々代の故ヨハネ・パウロ2世が訪日して以来、38年ぶり2回目の教皇訪日となる。