カトリック系の財団が最近、人気ゲームアプリ「ポケモンGO」をまねた無料のアプリを開発した。ただし捕まえるのはポケモンではなく、聖人や聖書の登場人物など。ローマ教皇フランシスコもアプリを称賛したという。
アプリの名称は「フォローJC・GO!」(Follow Jesus Christ Go!=イエス・キリストに従ってGO!)。アンドロイドとiOSのスマートフォンに対応しており、現在はスペイン語版のみだが、英語、イタリア語、ポルトガル語の各版も間もなくリリースされる予定。
ポケモンGO同様、拡張現実(AR)と位置情報を活用しており、プレイヤーは現実の世界を移動しながら、それと連動したゲームを楽しむことができる。質問に答えることで、聖人や聖書の登場人物をゲットして仲間にしたり、アイテムを集めたりしていく。また近くに教会があれば、教会で祈りをささげるよう指示されたり、病院の近くでは病人のために祈るよう促されたりするという。
「カトリック教会がこのようなプロジェクトを行ったことは、これまで一度もありませんでした」。アプリを開発した「ラモン・パネ財団」(米フロリダ州)のリカルド・グルゾナ理事長は、カトリック系ニュースメディア「クラックス」のインタビュー(英語)でそう語った。「これは最先端のテクノロジーを備えたカトリックのアプリです」
「教皇フランシスコは技術に詳しいわけではありませんが、とても驚かれていました。私たちがやろうとしていること、つまりテクノロジーと福音宣教を組み合わせるというアイデアを理解してくださいました」
グルゾナ氏によると、アプリは教皇だけでなく、パナマ大司教ホセ・ドミンゴ・ウジョアなどのカトリック指導者からも支持を得ている。「今日、若者の間では会話や人間関係など、すべてがスマートフォンを通じて交わされます。私たちはそういう領域で、若者たちの学びとなるゲーム、つまり信仰的で相互性があり、さらに福音宣教のためのチームを形成できるものを提供したかったのです」
製作費50万ドル(約5600万円)は、個人の寄付やスポンサーからの資金で賄われた。ゲームのコンテンツ開発には、複数の神学者や教会史の専門家が関わったという。
アプリは、来年1月22〜27日に中米パナマで開催される「ワールド・ユース・デー(世界青年の日)」の世界大会に向けて開発された。「世界青年の日」は1985年から始まり、毎年「受難の主日(枝の主日)」がその日と定められている。世界大会は2、3年に1度開催される。
アプリの評価はどうだろうか。11月1日現在、アップストア(iOS版)では5段階中3・3ポイントで、グーグルプレイ(アンドロイド版)では、5段階中3・2ポイントと、まずまずの様子。ダウンロードは上記のリンクから。
■ ゲームアプリ「フォローJC・GO!」の紹介動画