12年の歴史があるオーストラリアのウエディング雑誌「ホワイト・マガジン」が、同性カップルを誌面で扱わないことでバッシングを受け、廃刊することになった。雑誌の発行人はクリスチャンの夫妻で、同性婚に関する見解をめぐり、「洪水のような裁き」を受けたと話す。オーストラリアでは昨年、同性婚が合法化されている。
発行人のルーク・バーレルさんと妻のカーラさんは17日、同誌のブログに、廃刊についてのお知らせ(英語)を掲載した。
「ホワイト・マガジンは(キリスト教誌ではなく)一般誌でした。しかし、発行人である私たちはクリスチャンです。私たちには愛を示すことの他に目的はありません。社会的、政治的、法的争いを生み出すことを望んでいません。それはただ人々を分裂させるだけで、利益よりも損失をもたらすからです。私たちにとって信仰とは、裁くことのない愛に根差したものです。(しかし)最近、私たちは洪水のような裁きを体験しました」
夫妻は、自分たちの同性婚に関する見解に反対するキャンペーンの標的にされ、広告主からも見捨てられたことで、雑誌の発行が経済的に不可能な状態に追い込まれたと言う。また、同誌で特集された複数のカップルも、ネットでバッシングの被害に遭ったという。
夫妻は、同性婚をめぐる問題では、信教の自由に対する配慮が欠如していると批判し、異なる考えに対し意見する余地が必要だと話す。
「一部の方々は、私たちの考えや気持ちを伝える余地すら与えず、勇気を持って互いの話を聞こうともしませんでした。ただ盲目的に、私たちがどちら側に付くかを決めるよう要求してきました。(しかし)私たちの関心はどちら側に付くかではなく、愛と忍耐と親切にあるのです」
同誌に対する批判は、それまで同誌に写真を提供してきた写真家が、同誌が同性カップルのウエディング写真を断っていると主張したことで起こった。
ウエディング写真家のララ・ホッツさんは、同誌はLGBT(性的少数者)と仕事はするが、彼らを誌面に掲載するのを避けていると非難した。
「(ホワイト・マガジンは)性的少数者の広告主や寄稿者から、お金や記事、写真を喜んで受け取りますが、同性愛者を異性愛者のカップルと同じように支持したり、掲載したりすることはありません」
夫妻は廃刊のお知らせの中で、同誌を自分たちの考え通りに発行することが困難であることは明らかだと述べ、最後には、さまざまな見解を受け入れる社会になることを望むと述べている。
「多様な人がいて、さまざまな視点があることを社会が受け入れる日が近く来ることを願います。何があっても、愛し合うことができるようになりますように。真にポジティブな変化は、そこから始まるからです」