6日未明に北海道を襲った最大震度7の地震について、キリスト教の各教団が道内にある教会の状況を、ウェブサイトやSNSなどで報告している。これまでのところ、会堂への大きな損傷や人的被害を報告しているところは確認できないが、依然として停電が続いている地域があり、連絡がつながらず状況が分からない教会もある。一方、ハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)はこの日、スタッフ1人を現地に派遣することを決めた。8日にも現地入りし、被害状況の調査を行う予定。
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日本バプテスト連盟
リビングホープ教会(札幌市)で、礼拝堂のストーブが倒れた。その他の教会は、物が落下するなどしたが、人的被害や会堂への大きな損傷はない。停電により家庭用電話機が使えず、まだ連絡の取れていない教会がある。
日本バプテスト連盟宣教部では、北海道連合会長を通じて現地教会の被害確認を行っている。道内の教会に対しては、北海道連合会長に状況の報告をするよう求め、道外の関係者に対しては、貴重な通信網・情報源となっている携帯電話のバッテリーを消耗させないため、不要な連絡は避けるよう呼び掛けている。同宣教部では北海道連合会長から情報が入り次第、ウェブサイトで報告していく。
日本同盟基督教団
日本同盟基督教団の災害連絡室は6日午後6時前、北海道宣教区内の牧師家庭については無事が確認できたと発表した。各教会の教会員の安否については、連絡が取れにくい状況が続いているため全員の確認はまだ取れていないが、これまでのところ人的被害は出ていないという。会堂などの建物の被害状況については未確認だが、家具が倒れたり食器が散乱したりしたなどの報告は入っている。「現在も広域にわたる停電が続いており、今後も大きな余震への警戒が必要です」と注意を呼び掛けている。
日本福音ルーテル教会
札幌教会、函館教会、帯広教会、恵み野教会(恵庭市)で無事を確認。いずれも会堂への大きな被害はなかった。しかし、停電や断水しているところがあり、現在も会員の安否確認が進められている状況。
日本ルーテル教団
札幌中央教会、江別教会、旭川教会で無事を確認。
キリスト教のイスラエル支援団体「ブリッジ・フォー・ピース(BFP)ジャパン」は6日昼前、地震のための緊急の祈りを呼び掛けた。その中で、震度6強の揺れを観測した安平(あびら)町在住の信徒の状況を報告。それによると、その信徒は「自宅裏手の土砂が崩れ公民館に避難している。今のところ安否確認ができていないという情報はない。厚真(あつま)町の土砂崩れにより人命救助がなされていると聞いている。ぜひ大きな余震が起こらないように祈ってほしい」と話している。
BFPジャパンでは、地震に関する以下の祈りを呼び掛けている。
- 今、救助されている人々が速やかに助け出されるように。
- 救援に当たっている人々も二次災害から守られるように。
- 電気・水などのライフラインが一刻も早く復旧されるように。
- 火災などの被害が広がることがないように。
- 行政の救援救護が適切で確実な活動を取ることができるように。
- 道内の教会が守られ、既に始まっている支援活動が支えられるように。
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ハンガーゼロは、スタッフの黒坂栄司氏を北海道に派遣することを決めた。8日にも現地入りし、被害状況の調査を行う。黒坂氏は北海道網走市出身で、今回の地震で液状化現象が出ている札幌市清田区内に居住していた経験もあるという。西日本豪雨災害の被災者緊急支援活動では広島県呉市のボランティアセンターに派遣されていた。ハンガーゼロは今後、黒坂氏からの報告が入り次第、ウエブサイトで報告するとしている。
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NHKによると、今回の地震では震度7の揺れを観測した厚真町で大規模な土砂崩れが発生し、周辺自治体を含め、6日午後9時までに、5人が死亡、6人が心肺停止、32人が行方不明となっている。また道内では約300人の負傷者が出ている。
今回の地震では、道内のすべての火力発電所が緊急停止したことにより、道内全域の約295万戸が停電した。北海道電力によると、6日午後1時半過ぎに砂川発電所3号機の運転が再開。また他の火力発電所の発電機5台については、復旧作業が順調に進めば、6日中に運転を再開できる見込み。停電が解消したのは6日午後6時現在で、41万2千戸となっている。