北海道胆振地方中東部で6日午前3時9分ごろ、最大震度6強を観測する地震があった。地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・7。震度6強を観測したのは北海道安平町で、新千歳空港では震度6弱、札幌市でも最大震度5強を観測した。気象庁によると津波の心配はない。北海道電力によると、この地震の影響で道内の全域すべての家庭約295万戸が停電している。厚真町では、複数の場所で大規模な土砂崩れが発生し、住宅が土砂で押し流された様子がテレビなどで報じられている。苫小牧市内では、82歳の男性が地震により転落し心肺停止となっている。
日本同盟基督教団の緊急災害情報掲示板には、同教団に所属する道内の複数教会が状況を報告している。6日午前8時までの時点で、札幌、苫小牧、伊達、日高の各市町の教会が状況を報告しており、家具などが倒れ、停電や断水、ガスの不通などがあるが、いずれもこれまでのところ人的被害は報告されていない。
旭川市在住の別の教団の牧師はSNSに無事を報告。震源地から離れた同市内でも停電が続いているという。
NHKによると、停電は道内にあるすべての火力発電所が緊急停止し、発電量と使用量のバランスが崩れ、電気の周波数が乱れたことによる。北海道電力は水力発電を稼働し、停止中の火力発電所に電力を送ることで、火力発電所の運転再開を目指しているが、復旧のめどは立っていない。
新千歳空港は、6日は国内・国際線共にターミナルビルを終日閉鎖し、すべての便を欠航することを決めた。
気象庁によると、震度のデータが入っていない地域もあり、今後、震度6以上の揺れが観測された地域が出てくる可能性もあるという。以下は、気象庁発表(6日午前3時12分)による震度3以上が観測された地域と、震度5弱以上が観測された市町村。
<震度3以上が観測された地域>
震度6強
胆振地方中東部
震度6弱
石狩地方南部
震度5強
石狩地方中部 空知地方南部 日高地方中部
震度5弱
石狩地方北部 渡島地方東部 胆振地方西部
震度4
渡島地方北部 檜山地方 後志地方北部 後志地方東部 空知地方北部 空知地方中部 上川地方北部 上川地方中部 上川地方南部 留萌地方南部 日高地方西部 日高地方東部 十勝地方北部 十勝地方中部 十勝地方南部 釧路地方中南部 青森県三八上北 青森県下北
震度3
渡島地方西部 後志地方西部 留萌地方中北部 宗谷地方北部 網走地方 北見地方 紋別地方 根室地方北部 根室地方中部 根室地方南部 青森県津軽北部 青森県津軽南部 岩手県沿岸北部 岩手県内陸北部 宮城県北部 宮城県中部
<震度5弱以上が観測された市町村(いずれも北海道)>
震度6強
安平町
震度6弱
千歳市
震度5強
札幌北区 苫小牧市 江別市 三笠市 恵庭市 長沼町 新ひだか町
震度5弱
函館市 室蘭市 岩見沢市 登別市 胆振伊達市 北広島市 石狩市 新篠津村 南幌町 由仁町 栗山町 白老町
※ 震度5弱以上と考えられるが現在震度を入手していない市町村
厚真町 むかわ町 日高地方日高町 平取町 新冠町