「子宝に恵まれるために」と、X教祖Y氏から「魔法」をかけられた私。「魔術」が「非聖書的で危険」という認識の無いノンクリスチャンだった私は、大きな期待を抱きました。
「魔法」という言葉は一般的に使われ、子ども向けアニメにも多用され、近年では「美魔女」なるフレーズも登場し、「ファンタジーで、夢があって、美しい」と、まるで「良いもの」であるかのように扱われています。が、実は罪深い行為であって、たとえ一時、幸せになっても、最後はすべて奪われることになります。暗闇の支配者たちは「盗み、殺し、滅ぼすためだけに来る」(ヨハネ10:10) と、聖書には書かれているのです。
その「一時の幸せ」だったのでしょう・・・。しばらくして、夫Aとの凍てついた関係が少しずつ回復へ向かい、会話も増え始め、以前のように私の舞台を見に来てくれるまでになりました。しかし、「子ども」に関しては勇気が出ず、なかなか言えずにいました。「こんなことでは前へ進めない。何か、きっかけでもあれば・・・」と、その時、私の誕生日が近いことを思い出し、「そうだ!祝いの力を借りて言おう!」と決意しました。
ところが、Aは私の誕生日を忘れていたのです!結婚して初めてのことでした。いつも「外で食事しよう」「行きたい所は?」「欲しい物ある?」などと聞いてくれていたのに・・・。当日になっても気配すら無く、そんなAに怒りが込み上げ、朝から不機嫌な態度を取り続けました。
Aも、何でそんな態度を取られるのかが分からず、腹を立て、友人が誘った飲み会に出掛けてしまったのです。忘れていたのですから「今日は、私の誕生日よ!」と素直に伝えれば、「あ、そうだった、ごめん」と、即、解決して、楽しいバースデーデートができたのでしょう・・・。コミュニケーションの欠如と折れないプライドが、物事を悪い方向に向かわせました。思い詰めていた分、落胆が大きく、私は何もする気にはなれず、床についてじーっと天井を見つめるしかありませんでした。悪魔は「しめしめ」と笑っていたことでしょう。
その時、「今日を無駄にしてはいけない。しっかり気持ちを伝えなさい」と言われた気がしました。イエス様だったのでしょうか?その声に「よし!」と奮起し、枕元に置いていた携帯を手にし、メールを送ろうとしました。しかし、恐れが邪魔をして、なかなか指が動きません。迷い迷って戸惑って・・・何時間もいたずらに時が過ぎました。
神様と悪魔、両方から来る思いと戦っている感じでした。そして、ついに私は悪魔の思いを押しのけ、神様の思いを握り、メールを打ち始めたのです。「誕生日をきっかけに、もう一度、勇気を出して子どもが欲しいと伝えたかった。誕生日を忘れていたことに腹を立て、嫌な態度を取ってごめんなさい」と送りました。
すると、間もなくして慌てた様子でAが帰って来たのです!「すっかり忘れてた・・・本当にごめん」と、普段はあまり言葉で謝罪しない人が(態度で示すことはありましたが(^_^;))、素直に口に出して謝ってくれました。私もあらためて謝り、その後、子どもを作るための計画を、落ち着いて前向きに話し合うことができたのです。
険悪な状況になっても、最終的には解決に至る・・・イエス様が、すべてを働かせて益として下さったのでしょう。しかし、当時の私は「これもX神のご利益、魔法のおかげだ!」と信じ、喜んでいました。
それから約1年後・・・私は新しい命を授かるのです。
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