世界185の国と地域で、2億1500万人に福音を伝えた世紀の大伝道者、ビリー・グラハム氏が21日朝、99歳で召天した。この知らせを受け、キリスト教界はもとより政界や財界など、各界からその偉業をたたえる声が寄せられるとともに、「使徒パウロ以来の大伝道者」がこの世を去ったとして、惜しむ声もある。
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「偉大なるビリー・グラハム氏が亡くなりました。彼のような人物は他にいませんでした。キリスト教徒はもとより、あらゆる宗教の信者が悲しむでしょう。彼は実に特別な人でした」(ドナルド・トランプ米大統領)
「(妻の)カレンと私は、今世紀で最も偉大な米国人ビリー・グラハム氏の逝去を知り、悲しみに暮れました。グラハム氏のご遺族に深い哀悼の意を表します。グラハム氏のイエス・キリストの福音宣教と説教は、何百万もの人々の人生を変えました。私たちはグラハム氏の逝去を悲しんでいますが、今日、グラハム氏が『忠実な良い僕(しもべ)だ。よくやった』と言われていることを信じて疑いません。ありがとう、ビリー・グラハム先生。主の祝福がありますように」(マイク・ペンス米副大統領)
「私の父はかつてこう尋ねられました。『天国はどこにあるのでしょうか』。父は言いました。『天国はイエスがおられるところで、私も間もなく行こうとしている』。父は今朝、この世を旅立ち、天国での永遠の人生に入りました。そこは、世の救い主である主イエス・キリストによって備えられた場所です。父は80年間、そう告げてきました」(フランクリン・グラハム氏、グラハム氏の息子、大衆伝道者)
「彼(グラハム氏)は交わりと希望のメッセージを弛むことなく語り続け、世界中の何千万もの人々の霊的生活を形成しました。彼は寛大で赦(ゆる)す心があり、他の人の扱いにおいて謙虚な人物でした。常に奉仕する機会を探し求め、イエス・キリストの生き方の模範を示しました。彼は私の霊的生活にも多大な影響を与えました。グラハム氏を私の顧問、また友人とすることができたことをうれしく思っています」(ジミー・カーター元米大統領)
「彼は福音派の教皇になった」(ジェシー・ジャクソン牧師、米公民権活動家)
「今日、近代史において最も影響力のある伝道者ビリー・グラハム氏が、永遠という回廊に足を踏み入れました。グラハム氏は福音を宣(の)べ伝え、誠実に生き、世界を変えました。グラハム氏が私の人生に及ぼした影響にどれほど感謝しても、感謝しすぎることはありません。生前がそうであったように、グラハム氏の死があらゆる人々にイエス・キリストの十字架と栄光に満ちた福音を指し示しますように」(サミュエル・ロドリゲス牧師、全米ヒスパニック・キリスト教指導者会議代表)
「ビリー・グラハム博士は、常に今日のキリスト教徒の模範者でした。生き様を通して世界の教会に影響を及ぼし続けた点についていえば、グラハム博士は類まれだといえます。グラハム博士はイエス・キリストを多くの人に紹介したからです。グラハム博士の故に、信仰の旅を始めた方々が無数におられます。
世界の教会がグラハム博士に負った負債は計り知れず、言葉にできません。個人的には、福音のこの良き忠実な僕の生涯と使命に対し、神に深く感謝しています。グラハム博士の模範は、すべてのキリスト教徒にその生き方と行いに倣うよう課題を残しました。
グラハム博士は歴代の大統領や説教者、君主や音楽家、貧しい人や富んだ人、若者や老人と、顔と顔を合わせて会った人でした。しかしグラハム博士は今、ご自分の救い主であり、私たちの救い主であるイエス・キリストと顔と顔を合わせているのです。グラハム博士が生涯を通して楽しみにしていた対面です」(カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビー)
「私の見解では、ビリー・グラハム氏は使徒パウロ以来の大伝道者でした。彼は自分自身ではなく、政治でもなく、繁栄でもなく、キリストを宣べ伝えました。彼は申し分のない誠実さも兼ね備えていました」(ラッセル・ムーア氏、南部バプテスト連盟倫理宗教自由委員会委員長)
「1950年代と60年代に成長した誰もが言うように、ビリー・グラハム氏に対して無頓着でいたり、彼に感銘を受けないことは避けがたいことでした。ドーラン家は堅実なカトリック信仰に立っていますが、私たちの間には常にビリー・グラハム氏とその伝道の働きに対する尊敬と称賛がありました」(ティモシー・ドーラン枢機卿、ニューヨーク大司教)
「この時代で最も偉大な人物」(マイク・ハッカービー氏、前アーカンソー州知事、共和党の元大統領候補)
「偉大なる信仰の人で、知恵と謙虚さを持った人物」(マザーズ・ユニオン、英国のキリスト教慈善団体)
「価値ある人生というのは、その人の人生を振り返ったときに、その人が誰かに『永遠の影響を与えた』ということができることだと思います。それは、何と素晴らしいことでしょう。ビリーは自分の人生を振り返り、何百万人もの人に永遠の影響を与えたことを間違いなく確信できるはずです。
私が彼について最も尊敬している点は、知り合いになりたいと思える人として最も謙虚で最も偉大であり続けたことです。彼は大衆から驚くほど愛される個性の持ち主でしたが、ビリーと直接会ってみると、まるで自分一人しかその場にいないかのように思えるほど控えめな人でした。そのような賜物を兼ね備えている人はまれでした。
(グラハム氏の訃報を聞いたとき)私はすぐに両手を挙げて、主に感謝しました。主よ、ありがとうございます。ビリーは体が衰えて苦しんでいましたから」(キャシー・リー・ギフォード氏、グラハム氏の友人、テレビ司会者)
「彼はこの時代で最も有力な宗教指導者だったと思います。彼の功績に近づけた教皇や他の人物は1人もいないかもしれません」(ウィリアム・マーティン氏、『栄誉ある預言者:ビリー・グラハム物語』の著者)
「私が今朝、想像できる唯一の光景は、長年のクルセードを通して救われた何十万人もの人々が天国でビリー・グラハム氏を歓迎している様子です。何と素晴らしい朝でしょうか」(トッド・スターンズ氏、保守派コラムニスト)
「彼は私の英雄でした。しかし今、私たちはこの偉大な人にしばしの別れを告げます。父なる神、また天国が僕であり息子である彼を歓迎しているからです」(ピート・グレイグ氏、24-7 Prayer 創設者)
「使徒パウロは使徒言行録の引用の中で、ダビデ王は『(亡くなるまで)彼の時代に神の計画に仕えた』(使徒13:36)と言われています。ビリー・グラハム氏についてもまったく同じことが言えるのではないでしょうか。私たちは彼を模倣しようとするべきではありません(グラハム氏の働きが始まった後、社会は思う以上に変化しました)。しかし私たちは、グラハム氏に触発されるべきです。キリストの再臨に至るまで、教会にはこれからもビリー・グラハム氏のような指導者や伝道者が必要だからです」(J・ジョン氏、英国の大衆伝道者)