カトリックの伝統が強いスペインで、プロテスタントの福音派教会が急成長している。最近発表された報告書によると、同国では過去6カ月間に87の福音派教会が新設され、教会数が4千の大台を超えて4045となった。
報告書は、スペイン法務省などが設立した「スペイン宗教多元主義共存監視団」が半年ごとに発表しているもので、今回の報告書(スペイン語)は、昨年6月から12月までのデータに基づいている。この調査では、聖公会やセブンスデー・アドベンチスト教会も福音派として分類されている。
福音派ニュースサイト「エバンジェリカル・フォーカス」(英語)によると、同国内の福音派教会の数は、1993年は1435だったのに対し、97年は1632、2012年は3540と急激に増加。昨年12月時点で、同国内における礼拝所のうち、カトリック教会が77パーセントを占めるのに対し、福音派教会はその次に多い12パーセントを占めるほどに成長した。これは、4パーセントであるイスラム教の3倍。
スペインにある伝道団体の代表を務めるマキシモ・アルバレス氏は、この成長傾向は「持続しているだけでなく、加速しています」と言う。
アルバレス氏は、スペインのニュースサイト「プロテスタント・デジタル」のインタビューで、「スペインでは毎週1・5教会、1カ月に6教会、すなわち1年に82教会が開拓されています。諸教会とさまざまな教団によって行われている教会開拓の新しい取り組みのおかげで、この数字は増加し続けています」と話している。
こうした傾向は、カトリックの影響が強い中南米でも同じだ。1900年から60年まで、中南米諸国では人口の約90パーセントがカトリックだったが、2014年に米ピュー研究所が行った調査によると、この50年でその数は69パーセントまで減少した。現在は、中南米出身者の5人に1人が、自らを福音派と見なしている。