西アフリカのナイジェリアで昨年11月に誘拐されたカトリックの修道女ら6人が解放された。カトリック系ニュースサイト「クラックス」(英語)が伝えた。
誘拐されたのは、同国南部エド州にある聖体聖心女子修道院に所属する修道女3人と、修道女志願の女性3人。昨年11月13日に居住地から連れ去られ、誘拐犯たちはスピードボートを使って逃走したと伝えられている。
同修道院は5万5千ドル(約600万円)の身代金を要求されていたが、アガサ・オサレコ修道院長は、6人の解放のために金銭のやりとりはなかったと強調。「最も重要なことは、私たちの姉妹たちが解放されていることです。私たちは幸せです。神に栄光がありますように」と述べた。
6人は地元警察の働き掛けにより、今月6日に解放された。健康な状態で見つかったが、誘拐犯たちは逃亡したという。
ナイジェリアでは、キリスト教の聖職者らが身代金を目的とした誘拐のターゲットとして狙われている。教会側は身代金の支払いに応じない姿勢を示しているが、誘拐事件の発生件数は増加しているという。
今回の誘拐事件は国際社会でも注目を集めたことから、6人の解放のために十分な措置をしていないとして、ナイジェリア政府にも批判の矛先が向けられた。
ナイジェリア・カトリック司教協議会は昨年12月、「悪しき人々が誘拐、凶器を使った強盗、他の非人道的活動を通じて私たちの仲間を人質に取り、身代金を要求し続けています」と訴えていた。ローマ教皇フランシスコは、ナイジェリアのカトリック教会に同情を示し、公の場で彼らのための祈りをささげていた。