<本文と拓本>文字32(926+32=958)
冩真寺内安置(五聖の写真を寺内に安置す)。賜絹百匹(絹百匹を賜い)、奉慶睿圖(睿圖<皇帝画>を奉慶す)。龍髯雖遠(龍髯<皇帝の姿>が遠しと雖も)、弓劔可攀(弓劔は攀ぐべし)。日角舒光(日角は光を舒べ)、天顔咫尺(天顔は咫尺<身近>なり)。三載(三載<天寶三年・744年>)、大秦國・・・
<現代訳>
会堂に安置し、絹百匹を下賜されました。皇帝の写真によって祝うと、遠くにおられる皇帝のお姿が護衛兵の弓劔を通し、額の中央部から光を放ち、お顔を身近に感じます。天宝三年744年、大秦國の・・・
<解説>
景教と皇帝との関係が悪い状況ではなく、すこぶる良好であったこと、景教会堂は皇帝の護衛兵で守られていたことも述べ、皇帝の表現は余りある言葉で譬(たと)えている。日角は額の左側の隆起部分をいう。右側は月角といい、光を放つといわれた。
※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
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