<本文と拓本>文字31(771+31=802)
土宇廣闊(土宇は廣闊にして)、文物昌明(文物は昌明なり)。
高宗大帝克恭纉祖(高宗大帝は恭しく克く祖を纉ぎ)、潤色真宗(真宗を潤色す)。而於諸州各置景寺(而して諸州に各景寺を置き)、仍崇阿羅夲為鎮國大法主(仍って阿羅夲を崇び、鎮國大法主と為す)・・・
<現代訳>
国土も潤い、文明も栄えています。
高宗大帝(628~683、在位649~683、第3代皇帝で諡号は天皇大帝)は、恭しく皇祖の意思を継がれ、真宗[注]である景教を潤し、中国諸州に景教の寺(会堂)を置かれました。阿羅本は鎮国大法主となって・・・
[注]真宗は景教のことで真の宗教のこと。用語としては仏教書『続高僧伝』(645年成立)に「三蔵を聞いて遠く真宗を究め・・・」とある。
<解説>
当時の中国は諸州約360といわれ、景教会堂は全国各地に存在していたと考えられます。
※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
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