国際宣教団体「OM(Operation Mobilization)」の創設者である米国人宣教師、ジョージ・バウワー氏(79)は、テロによるイスラム教徒に対する恐怖心の増大が伝道の障害になっているとし、イスラム教徒への伝道の必要性を強調した。
OMは1960年、当時20代だったバウワー氏が立ち上げた宣教団体。現在は85カ国で3500人余りのスタッフが活動しており、世界で最も重要な宣教団体の1つに成長した。バウワー氏は最近、英サリー州イーシャーで行われた「キリスト教リソース見本市」(CRE)で基調講演し、次のように語った。
「あまりにも多くの人々がテロについて恐れを持ち、それについて話しています。ですが私たちは良い面を見なければいけません。狂信的なテロリストがイスラム教を象徴するものではないのです。彼らの最大の敵は、実際には他のイスラム教徒です。私たちはイスラム教徒たちに福音をもたらす必要があり、そこからそれるべきではありません」
「多くのイスラム教徒がキリストを信じるようになってきており、これが(テロリストに対する)恐怖よりも重要なのです。今日、歴史を学ぶ人々があまりいません。そして、過去に多くの大虐殺があったことを人々は認識していません」
16歳の時、米国の大衆伝道者ビリー・グラハム氏の集会で救われたバウワー氏は、その後すぐに宣教の道へ導かれた。欧州で行った夏の伝道プログラムをきっかけにOMをスタート。この夏の伝道プログラムの参加者は3年間で2千人余りに増え、活動はインドや中東など、まだ福音が伝えられていない地域へと拡大していった。
70年には、世界宣教と青年の訓練のために船舶を購入。現在は4代目となる「ロゴスホープ号」が運航しており、日本を含む世界各国を巡っている。船舶を使った活動は、伝道のみならず救援活動にも役立っており、ロゴスホープ号は現在、カリブ海に停泊し、ハリケーン被害者への支援活動を行っている。
今年で33回目となるCREは17日〜19日の3日間にわたって開催され、約200のキリスト教団体が参加した。