国際宣教団体「OMインターナショナル」の組織の一つである「OMシップ・インターナショナル」が所有する、世界最大の「書店」船舶ロゴスホープ号が、約半年の改修プロジェクトを終えて3月29日、シンガポールの港を出航した。4月1日にはマレーシア・ボルネオ島のクチンに到着。4月中はクチンに停泊し、現地でさまざまな奉仕活動を行う。
ロゴスホープ号は、ドイツのキリスト教慈善団体GBA(Good Books for All)が、OMシップ・インターナショナルに代わり運航しており、世界中の湾岸都市を回り、書籍資源を通して異文化理解を促進することを目的としている。船の乗務員は全員ボランティアで、出身国は50カ国以上と多様性に富んでおり、訪れた国の必要に応じた支援活動や、福音宣教の働きに従事している。
GBAは計4隻の船を運航しているが、ロゴスホープ号はそのうちの1隻。1973年に建造され、北大西洋でフェリーの役割を果たしていた。2004年にGBAがこの船を購入し、5年間の改修作業を経て、2009年2月からロゴスホープ号として世界中を航海してきた。
しかし、船の発電機が搭載されてから40年以上経過し、これから先の運航に耐え切れない危険性があったため、大規模な改修作業「パワーアップ・テクニカル・プロジェクト」を行うこととなった。プロジェクトの主な目的は、2台の発電機を取り替えること。さらに、排気管から出る熱エネルギーが、無駄になることなく船の暖房に使われることができるよう、新しいシステムを導入すること。
準備作業はOMシップ・インターナショナルの作業員によって行われたが、主な作業はシンガポールの会社が請け負った。この作業のため、ロゴスホープ号は、昨年9月8日からシンガポールに停泊し、通常の働きが一時中断されることとなった。
しかし、250人の乗組員から成る約70のチームは、この作業期間中、世界中に出て行って福音を語り、神の愛を行いをもって多くの人に示してきた。6大陸40カ国で、各チームはさまざまな支援活動を展開した。
カンボジアでは教会建設に協力し、南アフリカでは麻薬常習者に食事を提供し、ニュージーランドでは心に痛みのある若者に神の愛を語った。ウルグアイの刑務所訪問では、10人の囚人がイエスに従うことを決心したと報告がなされている。日本の福井県、石川県にも2つのチームが派遣され、地域教会の伝道に2カ月間協力した。
ロゴスホープ号の改修作業はすべて成功し、これから先何年も、知識・助け・希望を世界中の人々に届ける準備が整ったという。
OMシップ・インターナショナル代表のピーター・ニコル氏は、「この重要なプロジェクトの計画、経済、実行、あらゆる面において神の恵みを体験しました。これから先も、神の召しに応えて働きができるように、さらに素晴らしい、信頼できる船を与えられました」と語った。
4月のマレーシア・クチン停泊後は、5月から7月までフィリピンの3都市を訪問。さらにその後は、香港、台湾に向かう。日本には、昨年5月に初めて長崎、金沢に寄港しており、新しく力を得たロゴスホープ号が、再び日本にも訪れてくれることを期待したい。