東京基督教大学(TCU、千葉県印西市)が9日、学園祭「シオン祭」を開催した。学生全員がクリスチャンで、キャンパス内にある寮で起居を共にし、4人に1人が留学生。そんな学生たち約200人が思い思いの催し物を出展し、大いに盛り上がりを見せた。
秋の穏やかな日差しが降り注ぐ中庭では、レジャーシートなどを広げてコンサートやダンスショーを楽しむ家族連れの姿もあった。
今年のテーマは、「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい」(1テサロニケ5:16~18、新改訳第3版)から、「Thanks! :)」。
同大神学科3年で実行委員長の佐藤宣愛(のあ)さんは、今年のテーマには3つの目標があると語る。
「来場者から『ありがとう』と言ってもらえるような楽しいイベント」
「来場者間で『ありがとう』がたくさん聞こえるような交流の場に」
「学生同士で『ありがとう』が自然と言い合えるような人格形成の場に」
午前10時から始まったシオン祭は、午前中、チャペルコンサートなどが行われ、それと並行して中高生向けのオープンキャンパスもあった。午後からは、中庭に設けられたステージで、近隣の船穂中学校吹奏楽部による演奏やTCUの留学生たちのダンスなどが披露された。
校舎の内外では、クッキーや焼きそば、チヂミやタピオカジュースなどの飲食店が並んだ。また、キリスト教書店や企業、NPOやNGO団体の出展もあり、買い物を楽しむ姿も多く見られた。
留学生の1人、米国出身のケイレブ・スミスさんはこう話す。
「私は幼い時から日本が大好きでした。ずっと神様から、日本に行くよう示されていたと思います。2年前、数カ月間だけ日本に来たことがありました。今回、TCUに入学するため、8月に来日し、4年間をここで過ごす予定です。今、日本語もたくさん勉強しています。将来は宣教師になりたいと思っています。神の御心なら、日本でも伝道してみたいです」
ケイレブさんら留学生たちを中心とするダンスチームは、屋外ステージで軽やかなダンスを披露。多くの人の注目を集めた。
ネパールから来たロシャン・ロッカさんは、自国には神学校がないため、TCUに進学したのだという。
「日本人は礼儀正しく、とても優しいですね。私は日本人も日本文化も大好きです。ネパールでは、国民の約1・4パーセントがクリスチャンだといわれています。割合で言えば、日本よりも少し多いくらいですね。TCUを卒業したら、私はネパールで宣教師として働きたいと思っています」
午後2時、クリスチャンロックバンド「サルーキ=」がステージに上がると、会場は一気にヒートアップ。大きな盛り上がりを見せた。子どもから年配者まで、ステージ近くに駆け寄り、思い思いに踊りながら音楽を楽しんだ。
ライブの合間には、hi-b.a.(ハイビーエー、高校生聖書伝道協会)代表スタッフの川口竜太郎さんがメッセージを取り次いだ。
「たとえ困難の中にあっても喜ぶことを選ぶ者でありたい。パウロは獄中から『いつも喜んでいなさい』と書簡を送っている。私たちは聖書のことをたくさん学んで知っているからといって、いつも喜んでいられるわけではない。しかし、だからこそ神様に目を向け続けていくことが大切だ」
会場には、hi-b.a.の高校生らも姿を見せ、熱心に川口さんのメッセージに耳を傾けた。
佐藤実行委員長は同祭の終盤、本紙のインタビューにこう答えている。
「今年のシオン祭も大成功だったと私自身は思っています。天候も数週間前の予報では雨になっていて、とても心配しましたが、皆で祈っていたら、このような絶好の学園祭日和を神様が与えてくださいました。細かい反省点はいろいろありますが、まずは神様に、そして来ていただいた皆さんや、一緒に作り上げた仲間に感謝したいです。今年のシオン祭が終わると、すぐに来年に向けての引き継ぎが始まります。毎週のように祈り合う機会も持ちます。来年のシオン祭のために祈っていきたいです」