聖書は世界中で読まれているベストセラー。その聖書が、復讐を良しとしていないのです。考えさせられることではないでしょうか。
復讐は、一般にどう考えられているでしょうか。因果応報とも言われます。忠臣蔵は有名ですね。小さい頃、年末に視聴した思い出があります。良いか悪いかは別として、いろいろと深い、赤穂浪士の復讐の物語ですよね。
先週と同じく映画ネタになります。先週と同じ映画なのですが、かなり良い映画で、2回映画館に見に行きました。キーワードは「因果応報」。度々流れる予告編から「ホラー系」と判断して見に行かなかった方もいると思いますが、要するに因果応報だから復讐もありという部分もある映画です。最終的にはとにかく感動的なストーリーに仕上げてくれています。
しかし、聖書は違います。今日、ぜひ知っていただきたいのです。世界のベストセラーである聖書は「復讐するな」と教え、「愛しなさい。赦(ゆる)しなさい」と教えているのです。
という訳で一貫して感動的なストーリーの書物ですよ、と言いたいのですが、正直言って聖書には、感動的な物語だけが書かれているのではありません。主君殺し、人妻奪い、近親相姦、子弟の裏切り・・・ありとあらゆる話が収められています。だから、面白い。だから、逆に感動できるんですね。お薦めします。
米国で黒人解放運動の指導者として活躍し、ノーベル平和賞を受賞したキング牧師ことマーティン・ルーサー・キング・ジュニア(1929~68)。人種差別と闘い、1963年にはワシントン大行進を企画し、この集会で「Ihave a dream.」を含む有名な演説をしました。彼は、「『汝の敵を愛せ、汝を呪う者を祝福せよ、汝を虐げる者のために祈れ』これこそ、私たちの生きる道です」(『100人の聖書』64ページ参照)と語っています。
愛し、祝福し、祈れ。これ、誰にだと思いますか? それは、あなたの友人、恋人、家族、配偶者ではありません。なんと、敵のためにそうしろと言っているのですね。自分をいじめてくる、自分を非難するあの人のために。祈れますか? 祝福して、良いことを願えますか? 愛してあげられますか?
だって、自分の敵ですよ。自分と違うグループのあの人を、自分をからかい目の敵にしてくるあの女性を、自分にちょっかいを出してくるあの男子を、ですよ。難しい選択です。私も正直難しいと思います。でも、この選択の先には、忠臣蔵よりも美しい物語が待っているということではないでしょうか。
今日から少しずつ、聖書に書いてあることをちょっと試してみて、あの人を愛し、あの人を祝福し、あの人の幸せを願っていきませんか。ちょっとずつ、あなたが楽になるかもしれません。
晴れやかな空を穏やかな心で、「勝ったぞ」という心で見上げられるようになりたいですね。
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【書籍紹介】
篠原元著『100人の聖書』
本書を推薦します!
「他の追随を許さない数と挿話」
――奥山実牧師(宣教師訓練センター[MTC]所長)
「牧師の説教などに引用できて便利」
――中野雄一郎牧師(マウント・オリーブ・ミニストリーズ)
「聖書に生きた偉人たちの画廊」
――峯野龍弘牧師(ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会)
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