【CJC】中国における政府系カトリック教会の最高機関「中国天主教代表会議」が、昨年12月27日から29日まで北京で行われた。6年ぶり9期目の開催となった。政府系カトリック組織「中国天主教愛国会」の聖職者365人などが出席した。
国交のないバチカン(ローマ教皇庁)との関係改善について、出席した中国政府国家宗教事務局の王作安局長が「建設的な対話を望んでおり、違いを縮小し、共通認識を拡大して改善を進めたい」と意欲を示した。
中国とバチカンは1951年に断交し、政府系教会と、教皇に忠誠を誓う非公認の地下教会に分裂している。ローマ教皇フランシスコは中国との関係改善に前向きで、最大の対立点である司教の任命権限をめぐって詰めの接触をしている。
バチカンは12月20日、代表会議に中国国内の司教が出席することを事実上容認する姿勢を示していた。王局長は27日、「バチカンがさらに柔軟で実務的な態度を取り、行動によって有利な条件を創造してほしい」と述べた。
代表会議は「独立自主」や「カトリックの中国化を堅持する」など、「習近平同志を核心とする党中央に緊密に団結する」方針を確認した。役員改選でも、中国天主教愛国会の主席に房興耀司教、司教団主席に馬英林司教を再選するなど、政府系の司教が要職に留任した。
バチカンと中国は1950年代から司教の任命権などをめぐって対立、前回2010年12月の代表会議は、直前に中国側がバチカンの承認を得ずに司教を任命して関係が悪化。バチカンは代表会議を「カトリックの教義と相いれない」などと非難した経緯がある。