世界教会協議会(WCC)常議員会は17日から23日まで、上海や南京で政府公認の中国基督教協会(CCC)や三自愛国運動(三自愛国教会)と会合を行った。WCCが25日、公式サイトで伝えた。
三自愛国運動は中国のプロテスタント教会の1つで、世界で最も大きなプロテスタント組織の1つでもある。
この会合は、中国でWCCの統治機関が行ったものとしては初めて。中国のキリスト教指導者はまた、WCCと中国国家宗教事務局の会合の設定を助けた。
常議員会はまた、南京大虐殺紀念館を訪問した。「私たちは、この大虐殺による30万人を超える犠牲者たちを祈りをもって共に追悼した」と、WCC中央委員会議長のアグネス・アブオム博士は語った。「私たちはこれらの残虐行為が日本政府によっていまだに認められておらず、謝罪を受けてもいないことを、深く遺憾に思う」
この紀念館の訪問は、このような人道に対する犯罪や戦争犯罪、大量虐殺が今もなお起きている今日の文脈の中で、正義と平和の巡礼が持つ必要性を強調することをあらためて体験するものとなったと、アブオム議長は述べた。
WCCの指導者たちは、中国が同国における平和と安定の過去数十年間にわたって、著しい経済成長を経験してきたことの証拠を認識した。「何百万人もがこの成長によって貧困から救い上げられ、最も極端なかたちの貧困を世界規模で撲滅する可能性の、新たな希望を奮い立たせた」とアブオム博士は述べた。「加えて私たちは、感謝をもって、気候変動に関するパリ協定や再生可能エネルギーの開発に関する投資の拡大における中国の模範とリーダーシップに言及した」
同時に、世界の舞台における中国の台頭が、新たな緊張や紛争を伴ってきたことから、WCC常議員会は対話と外交を通じた解決を求めた。
アブオム博士と常議員会の他の議員らは、中国の諸教会による証しと奉仕について見聞きしたことに感謝を表した。アブオム博士は、「私たちは(中国の)教会が全ての年齢層の人々に手を差し伸べ、エキュメニカルおよび宗教間の関係と協力に責任を負っていること、また、それらの教会やその機関がもたらしている社会奉仕の規模と幅に、大いに感銘を受けた」と語った。