【CJC=東京】世界教会協議会(WCC)の第51回国際関係教会委員会(CCIA)が「中国の教会独自の状況とエキュメニカル(教会一致を目指す)関係」を主題に6月9日から16日まで上海と南京で開催された。WCCが中国で行う会議は1948年の創設以来これが初めて。
中国基督教協議会の高峰会長は南京での会議で14日、「中華人民共和国で成長している教会には四つの特徴がある。それは独立、自治、教派後、急成長と多大な挑戦と困難に直面していること」と語った。
委員会で行われた「中国理解」セミナーで、高会長は、「中国の教会の現状」について「キリスト教の人口統計的な状況は急速に変化している。しかし直面している課題もますます増えている」と語った。
「草の根レベルの教会のほとんどには按手を受けた牧師がいない。信徒指導者が教会を運営し、日曜日には説教をするが、正式な神学教育を受けていない。神学校は教授陣も不足しており、図書館も貧弱だ。文化大革命以後、特に1980年代初頭から、政府の宗教政策が変化したことで、教会再建、神学校新設、再開、さらには聖書印刷も行われるようになった」と言う。
別のセッションで、中国で調和社会創設における宗教の役割と中国の宗教政策について、国務院宗教局のジャン・ジャンヨン副局長は「宗教的調和がなければ、社会の調和もないので、政府は調和社会を発展させるには宗教の果たす役割を認め、それを奨励する」と語った。
「政府の、調和社会建設に宗教が関わるようにする施策は、4原則に基づいている。1宗教内での調和という前提、宗教間の調和、平和的秩序のための宗教と社会との調和、宗教と国家との調和、がそれだ」と言う。
ジャンヨン副局長は、中国は全ての宗教に自由を与えるが、宗教と宗教活動が、国の問題や行政に介入しないことが望ましい、と付け加えた。中国には支配的な宗教は存在せず、全ての宗教は平等に処遇される、と語った。中国政府は、「国家はどの宗教をも助成出来ないし規制も出来ない」と確信しているという。
同氏は、江蘇省宗教局長時代の2003年に訪問団の1人としてジュネーブのWCC本部を訪れている。
WCCのオラフ・フィクセ=トゥベイト総幹事は、南京金陵神学院の教授・学生に、「中国の教会はキリストの身体の一部であり、世界中の教会の交わりの欠かせない部分だ」と語った。同総幹事は愛徳印刷所を訪問した際、愛徳基金と中国基督教協議会によって印刷刊行された聖書の8000万冊目を贈られた。