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クリスマス

【クリスマスメッセージ】シメオンとアンナのクリスマス 宮村武夫

2016年12月25日05時45分 執筆者 : 宮村武夫
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関連タグ:クリスマス宮村武夫

「そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい、敬虔な人で、イスラエルの慰められることを待ち望んでいた。聖霊が彼の上にとどまっておられた。また、主のキリストを見るまでは、決して死なないと、聖霊のお告げを受けていた。彼が御霊に感じて宮に入ると、幼子イエスを連れた両親が、その子のために律法の慣習を守るために、入って来た。すると、シメオンは幼子を腕に抱き、神をほめたたえて言った。『主よ。今こそあなたは、あなたのしもべを、みことばどおり、安らかに去らせてくださいます。私の目があなたの御救いを見たからです。御救いはあなたが万民の前に備えられたもので、異邦人を照らす啓示の光、御民イスラエルの光栄です。』父と母は、幼子についていろいろ語られる事に驚いた。また、シメオンは両親を祝福し、母マリヤに言った。『ご覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人が倒れ、また、立ち上がるために定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。剣があなたの心さえも刺し貫くでしょう。それは多くの人の心の思いが現れるためです。』また、アセル族のパヌエルの娘で女預言者のアンナという人がいた。この人は非常に年をとっていた。処女の時代のあと七年間、夫とともに住み、その後やもめになり、八十四歳になっていた。そして宮を離れず、夜も昼も、断食と祈りをもって神に仕えていた。ちょうどこのとき、彼女もそこにいて、神に感謝をささげ、そして、エルサレムの贖いを待ち望んでいるすべての人々に、この幼子のことを語った」(ルカ2:25~38)

聖書全体の中で、この場面はと各自が特愛の箇所があるのではないでしょうか。クリスマスの関わりの中であれば、このルカの2章25~38節に登場するシメオンとアンナをめぐる箇所が、私は大好きです。

シメオンとアンナ、これは、聖書における、そして現代の社会や教会における年を重ねた人々の貴重な立ち位置を明示する鍵の聖句と捉え、私なりに歩みを続けてきました。例えば、1970年から86年まで、その一員として営みを重ねてきた、東京西多摩の青梅キリスト教会では、このシメオンとアンナの聖句を通しての語り掛けの応答の1つとして、「シメオン・アンナの部屋」、そうです、教会の中に70代や80代の方々にとって目に見える物理的な居場所を、あらゆる犠牲を払って確立したのです。

あの時の小さな、しかし確かな恵みとそれへの応答の二重の恵みを回顧しつつ、2016年、日本の社会と教会の現実、その中での年を重ねた人々の、無比の立ち位置を、「聖書をメガネに」、そうです、このルカ2章25~38節をメガネに直視し、その聖句の下に自分の心、生活と生涯を置いて、アンダースタンド・理解を求めたいのです。

シメオンを通して

ルカ2章25節以下に老シメオンの特徴を紹介しています。まず、25、26節に聖霊ご自身の導きの下にあったシメオンの生き方、その事実を3度強調しています。

「そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい、敬虔な人で、イスラエルの慰められることを待ち望んでいた。聖霊が彼の上にとどまっておられた。また、主のキリストを見るまでは、決して死なないと、聖霊のお告げを受けていた」(ルカ2:25、26)

幼子イエスを腕に抱き、神をほめたたえながら語る印象深いシメオンの言葉を、聖霊ご自身が私たちの心に刻んでくださることを願います。29、30節には、神の約束を待ち望むシメオンの姿と約束の成就の始まりが記されています。31、32節には、幼子イエスにある救い、それはイスラエルばかりでなく、「異邦人を照らす啓示の光」と異邦人にも鮮やかに注がれています。34、35節には、主イエス・キリストによる救いは、反対を受け、剣で心を貫き通されるほどのものであると明示しています。

アンナを通して

36、37節には、神の栄光を待ち望む1人の女性、いまや老婦人となっているアンナの生涯が手短に見事に描かれています。

主イエスに出会った喜びに満たされたアンナの行動が、生き生きと描かれています。そうです、ここには喜びの心からほとばしる言葉とやむにやまれない行動がおりなされています。

私が聖書の好きなところです。シメオンの年齢は明らかにされていないのに、アンナは、「84歳になっていた」と明記されています。いずれにしても、年を重ねたシメオン・アンナが幼子イエスと出会っているのです。これが、教会のなくてならぬ恵みの1つではないでしょうか。

この場面をメガネに、あるべき教会の姿を求めて、赤ちゃんが1人でも主日礼拝に参加することを祈り、赤ちゃんをゆっくりとしっかりと抱くシメオンやアンナの居場所としての、シメオン・アンナの部屋を備えるために祈る喜び、そのために犠牲を払う苦しみの喜びです。

年を重ねることの意味。主イエスに従いつつ年を重ね、幼子を腕に抱き、幼子のために祈る喜び、これこそ、クリスマスの恵みです。

主イエスにあって、赤ちゃんを、幼子を見る喜び。同時に、「主よ、今こそあなたは、あなたのしもべを、みことばどおり、安らかに去らせてくださいます」(ルカ2:29)とシメオンと共に主イエスにあって主を迎える平安。

クリスマスの神は、シメオンには待ち望みとその成就の喜びを与えておられます。アンナには、波乱にとんだ一生に裏付けられた行動を賜物として与え、導いておられます。

では、私たち一人一人に対して、シメオンとアンナの神は、どんな特別な、小さくとも、きらりと光る賜物と使命を与えておられるのでしょうか。そうです、シメオンとアンナのクリスマスの記事を読みながら、私たちのうちに注がれている神の恵みの砂金を見いだし、応答する喜びに満たされ、アンナのように行動する、うれしいじゃありませんか。

◇

宮村武夫

宮村武夫

(みやむら・たけお)

1939年東京深川生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部(組織神学)修了。宇都宮キリスト集会牧師、沖縄名護チャペル協力宣教師。クリスチャントゥデイ編集長兼論説主幹。(2019年8月16日死去、プロフィールは執筆当時のものです。現在はクリスチャントゥデイ名誉編集長)

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