ビリー・グラハム伝道協会(BGEA)の機関紙『ディシジョン』9月号は、米大統領選特集となっており、民主党候補のヒラリー・クリントン氏と共和党候補のドナルド・トランプ氏の大統領綱領を対比する内容となっている。
BGEA総裁のフランクリン・グラハム氏は、自身のフェイスブックへの投稿で、この特集号を「あなたが投票の仕方について神の導きを祈り求めるとき、助けとなるものです」と紹介している。
「大統領選ガイドは私たちの国が直面する主な問題、候補者たちの立場、神の御言葉が教えることを吟味しています」「このガイドは、宗教の自由、人工中絶、最高裁判所などの重要な問題に関する候補者たちの見解を考察しています。私たちはまた、結婚、テロなどに関する共和党と民主党の綱領も取り上げています」
BGEAの広報担当であるマーク・デモス氏によると、過去の大統領選の年にも、政治の話題が中心となった特集号を発行してきたという。デモス氏は、「『ディシジョン』は、私たちの周囲の世界について痛烈なパンチの利いた記事を、福音派の観点から提供するために発行されています」と言う。
「確かに、全国選挙は私たちの周りの世界の大きなニュースです。そして『ディシジョン』は、読者たちが福音派の観点から十分な情報を得た上で意思決定をすることができることを望んで発行されるのです」
『ディシジョン』の大統領選特集号は、グラハム氏による「ディシジョン・アメリカ・ツアー」が続けられている中、発行された。このツアーは、大統領選に先立ち、全米50州の州都で祈りの集会を開催する計画で行われている。
昨年4月、アイオワ州の州都デモインでツアーを開始したグラハム氏は、ディシジョン・アメリカ・ツアーは聖書的原則にのっとってクリスチャンが投票を行うことを励ますことが目的であるとしている。
「私は大胆に信仰に生きるように、そして私たちの国民とその指導者たちのために祈るようにと、クリスチャンに呼び掛けたいのです。私は投票するために出て行き、聖書的原理を保持する候補者たちに投票するようにと、クリスチャンを励ましたいのです」
「私はクリスチャンに対して、あらゆるレベル――地域、州、国――で公職に立候補するように強く要請したいのです。私たちはどの政治的候補者も推薦しません。しかし私は、あらゆる州で神の福音の真理を宣(の)べ伝えます」
このツアーの訪問地の多くでは、何千人もの人々が祈るため、そしてグラハム氏のメッセージを聴くために集まった。8月23日にメイン州の州都アガスタで開催されたツアー集会では、約1500人が集まった。
一方、こうした政治に関わる働きが、福音を前進させることから人々の注意をそらせていないかという質問に、デモス氏は全くそんなことはないと答えた。
「グラハム氏は全50州の州都で祈りの集会を開催するために1年間を費やしています。その努力は米国のため、私たちの罪のため、私たちの指導者たちのために祈るようにと、クリスチャンを促すためになされています。そして聖書的原理を表し、その原理に実際に生きる候補者に投票することによって、政治的プロセスに関わるように促しているのです。そして公職に立候補することさえ考えるように促すものです」
「私たちはこの大統領選特集号が、グラハム氏が『ディシジョン・アメリカ・ツアー』で語ってきたメッセージと一致していると信じています。そして私たちは、福音が社会のあらゆる側面に関わるようにと信仰者たちを駆り立てるものだと信じています」
『ディシジョン』の大統領選特集号は、BGEAのウェブサイトで閲覧(PDF)できるほか、無料で1部取り寄せることができる(米国内限定)。