五輪陸上男子400メートルの新しい王者、世界記録保持者となったウェード・ファンニーケルク(24、南アフリカ)は、「イエスがしてくださった」と神をたたえて金メダル獲得を祝った。
ファンニーケルクは14日、43秒03で他の選手たちを大差で負かし、マイケル・ジョンソン(48、米国)の世界記録を17年ぶりに更新して、リオデジャネイロ五輪の決勝で劇的な優勝を果たした。
ジョンソンは、そのレースを見て「完敗」だと語った。この南アフリカ出身の若き選手は、既に未来のレジェンドとして歓迎されている。
レース後、ファンニーケルクは自身のツイッターに、「神は力です」という言葉と共に、応援してくれた人々への感謝を書き込んだ。
献身的なクリスチャンであるファンニーケルクはレース後、トラックで神に感謝する時を持った。BBCスポーツには次のように語った。
「私は小さな子どもの時から、この瞬間を夢見ていました」
「私が今できるただ1つのことは、神に賛美をささげることです。私は毎日決まってひざまずき、私を守り、私の一歩一歩を見守ってくださいと主に話しています」
「私は、主にレースを通じて支えてくださるようお願いしました。そして私は、本当に祝福されているのです」
ファンニーケルクは以前、スポーツ報道機関「パッション・フォー・スポーツ」に、「私は自分に起こる全てのことを主に感謝しています」と語っていた。「私は全てのレースと、私の全ての歩みを主の御手に委ねています。私は自分の全ての動作において主に信頼しています」
また、信仰の大切さについて語るファンニーケルクは、その理由について、神が「賜物をもって自分を祝福してくださった」からだと話していた。
ファンニーケルクは、ロンドン五輪(2012年)の金メダルニスト、キラニ・ジェームズ(23、グレナダ)に勝つため、最後の80メートルを猛スピードで走り抜けた。リオ五輪では、ジェームズが銀メダル、ラショーン・メリット(30、米国)が銅メダルを獲得した。
ファンニーケルクは、昨年の世界陸上北京大会でジェームズとメリットに勝ち優勝していたが、リオ五輪では5番目に速いタイムで決勝に進出し、優勝候補ではなかった。
しかし、ファンニーケルクは五輪での初メダル獲得を目指し、五輪陸上男子400メートルでは、一番外側のレーンを走って優勝した最初の人となった。
自身の元世界記録が0秒15更新されたジョンソンは、ファンニーケルクのレースの1時間半後に行われた男子100メートル決勝で金メダルを獲得したウサイン・ボルト(29、ジャマイカ)と比較して、次のように語った。
「ファンニーケルクはとても若い。他に何ができるか? 43秒の壁を超えられるか? それは私ができると思いつつも、決してできなかったことです」「ウサイン・ボルト選手はすぐに引退するでしょう。そう、(ファンニーケルクが)次のスターになり得るのです」
ボルトは自身の優勝を祝うことを中断して、ファンニーケルクの元に走り寄り彼の優勝を祝った。ファンニーケルクは、ジャマイカでボルトの監督の下、共にトレーニングを受けていた。
ファンニーケルクは、「私は、自分の周りに同じ世代のこのような偉大なスポーツ選手がいることを感謝します。私は本当に祝福されています。そして私は今日、自分がいるところに到達できたことを感謝しています」と語った。