米ボストン・グローブ紙が運営するカトリック系ウェブサイト「クラックス」によると、先々代のローマ教皇故ヨハネ・パウロ2世の暗殺未遂犯であるトルコ人男性が、カトリックの司祭になることを望んでいるという。
1981年にヨハネ・パウロ2世を銃撃し、重傷を負わせたメフメト・アリ・アジャ氏(58)は、大聖年の2000年に教皇の恩赦によって釈放されたが、現在は「トルコで時間を無駄にしている」という。アジャ氏はイタリアの刑務所で19年、トルコの刑務所で10年服役した。
アジャ氏はイタリアのテレビネットワーク「カナーレ5」に、「ここトルコで、私は自分の時間を浪費する年金生活者として生きています。それで私は、教皇フランシスコに訴えたいのです。私をバチカンに迎えてください。私は司祭になります」と語った。
バチカンのサン・ピエトロ広場での暗殺未遂事件から2年後の1983年、ヨハネ・パウロ2世は獄中のアジャ氏の元を訪問した。アジャ氏はそれ以来、聖書を勉強しているという。「ヨハネ・パウロ2世が牢獄にいる私を訪問してくださった後、私はそのことについて考え、福音書を詳しく勉強しました。私は多くの他の人たち以上に聖書を知っています。もし教皇が私を歓迎してくれるなら、私は司祭となり、もし教皇が私にそうするようにとお望みになるなら、ミサを執り行うでしょう」
しかし、トルコの愛国者集団「灰色の狼(おおかみ)」の元メンバーであるアジャ氏はここ数年、暗殺を試みた動機も含め、一連の奇妙な発言をしており、その信ぴょう性がどれほどのものか疑わしい点もある。
2005年には、ヨハネ・パウロ2世がパーキンソン病のため闘病していたとき、世界がすぐに終わると告げる手紙を教皇に書き送っている。
また10年には、自分自身をイエスと見なすことを示唆するような発言もし、「3日後、私はあなたに会うだろう。全能の神の御名において、私は今世紀中に世界の終わりを宣言する。全世界は破壊され、あらゆる人間は死ぬだろう。私は神ではない。私は神の子ではない。私は永遠のキリストである」などと述べている。