世界福音同盟(WEA)は2日、イスラマバードにてパキスタンシャハズ・バッティ少数民族関係相が殺害されたことに対する悲嘆の意を表明し、「このような無分別な暴力を強く非難し、パキスタン政府に対し殺害者らを一刻も早く法廷に出廷させるため尽力されるように願う」と述べた。
WEA国際部長のジェフ・タニクリフ博士は「愛する親しい友を失ったというだけでなく、世界が宗教解放・人権およびすべての人たちの尊厳を保護する偉大な戦士を失いました」と述べた。WEAではパキスタンのザルダリ大統領が少数関係相というポストを作りだしたこと、およびバッティ氏が同ポストに就任し続けていることを称賛するとともに、同氏の暗殺を強く非難している。
WEAではパキスタン政府に対し、バッティ氏の草分け的な活動を讃えるとともに同ポストに一刻も早く新たな適任者を任命することを強く求めており、2日発表した声明文で「バッティ少数民族関係相は、パキスタン冒とく法に関する著名な批判者であり、同法の廃止を目指していました。暗殺者らは同氏に対し『信仰心のないキリスト教徒である』と書いたパンフレットを残し、同氏が冒とく法に反対の意を示していたことが暗殺の理由であると述べていました。バッティ少数民族関係相の殺害はパキスタン国内の宗教少数派への迫害が深刻なものであることを改めて国際社会に認識させるものとなりました。冒とく法の存在と敵意によって同法を利用し続けることによって深刻な迫害が続いています」と発表した。
タニクリフ博士はバッティ少数民族関係相と最近会見しており、パキスタンの状況を互いに共有し合い、WEA指導者らが実際にイスラマバードを訪問しハイレベル会合を開こうとの計画を練っていたところであったという。WEAは声明文で「バッティ少数民族関係相は10日前にパキスタン政府閣僚として再任されたばかりでした。バッティ氏の再任は、パキスタン国内宗教少数派、特にキリスト共同体にとって大きな喜びであり励みとなっていました」と述べた。
またバッティ氏が暗殺される前日、同氏はWEA国際部長であるタニクリフ博士に対し手紙を書き綴っていたことも明かしした。その中で同氏は「私は個人的にはイエスキリストが私に少数民族関係相としての立場を再び授けて下さり、その責任を果たすように命じられたと信じています。このポストでは人道的に不当な扱いを受け苦しんでいる人々に仕えるという特別な目的があります。私は宗教の自由、平等、社会正義および少数派の権利を守るために自分自身を捧げていく決意をしました」と述べていたという。
WEAは今後もバッティ少数民族関係相の働きに倣い、すべての社会で迫害され周辺に追いやられている人々の声なき声を発していくことを声明文で発表した。
以下はバッティ氏が1日、WEAタニクリフ国際部長に送った手紙の内容である。
2011年3月1日
親愛なる兄弟であるジェフへ
ワシントンに訪れた際にあなたとお会いし、重要な問題について話し合えたことは本当に素晴らしいことでした。あなたの支援、パキスタンとの団結、そして祈りに感謝しています。私の再任のためにプレスリリースや手紙を書いてくださったことにも感謝しています。 私のカナダおよび米国訪問は本当に意味深く生産的なものでした。あなたの宗教の自由と迫害され周辺に追いやられているキリスト教徒たちへの献身された活動を称賛しています。
あなたにお会いしたことは私にとって一つの励みとなりました。パキスタンの宗教少数派の人たちのためにあなたが私たちと一致した思いを示してくださったことに感謝しています。
ご周知のとおり、私はザルダリ大統領によってパキスタン少数民族関係相に再任されました。しかし中には私が再任することに反対する過激派の人たちも政府内には存在しております。そのような中、私が再任されたことは、パキスタン国内、特にキリスト共同体にとって大きな喜びと励みとなりました。
私は個人的にはイエスキリストが私に少数民族関係相としての立場を再び授けて下さり、その責任を果たすように命じられたと信じています。このポストでは人道的に不当な扱いを受け苦しんでいる人々に仕えるという特別な目的があります。私は宗教の自由、平等、社会正義および少数派の権利を守るために自分自身を捧げていく決意をしました。
パキスタンであなたがたWEAの代表団にお会いできる日を楽しみにしています。WEAのネットワークおよびその他の友人の皆さまが私をおいて祈ってくだされば幸いです。今こそキリスト者が一致した立場を示すときです。
主にありて シャハズ・バッティ