レバノンのキリスト教勢力の代表格、ピエール・ジュマイエル産業相が21日、首都ベイルートの郊外で銃撃され死亡した。ジェマイエル氏は反シリア派でアミン・ジュマイエル元大統領の息子。同国では宗教間の争いが表面化している。国内メディアが23日報じた。
報道によると、ジュマイエル氏は当日、ベイルート東部のキリスト教地区を乗用車で走行中、走ってきた車に体当たりされ、武装グループの銃撃を受けた。搬送先の病院で死亡した。
日経新聞は、米CNNの報道内容として、反シリア派与党の指導者ハリリ議員が親シリア派の犯行との見方を示した、と伝えた。
同新聞は事件の背景として、親シリア派のイスラム教シーア派民兵組織、ヒズボラが今年夏以降、閣内での発言力強化を求めていると伝えた。ヒズボラは内閣改造か総選挙実施を要求。シオニラ首相が拒否したため、ヒズボラは閣僚を大量離脱させたという。