静岡刑務所(静岡市葵区)は24日、同所の男性看守部長(45)が、受刑者計8人に対し、芸能人の物まねを強要するなどの嫌がらせをしていたとして、戒告の懲戒処分としたと発表した。処分は同日付。時事通信などが伝えた。
同通信によると、看守部長は静岡刑務所にある工場を担当していた2014年9月〜15年7月、計8人の受刑者に対し、芸能人の物まねを強要したり、雑誌名をあだ名として付けて呼んだりするなど、嫌がらせ行為を常習的に行っていたという。静岡新聞によると、ニンジンが嫌いな受刑者にニンジンを多く配食したり、また雑誌の引き渡しをわざと遅らせたりもしていたという。
今年3月、出所を控えた受刑者から申告があり発覚。看守部長は、「工場の雰囲気を明るくしたかった」「嫌な思いをさせ、ミスをしないようにした」(同通信)などと話す一方、「指導に名を借りたいじめだと言われればその通り」(同紙)などと認め、反省しているという。
スポーツニッポン紙によると、看守部長が担当していた工場には、他の職員はいない状態だった。
静岡新聞によると、静岡刑務所の小沢政治所長は「国民の公務への信頼を損ね、誠に遺憾。今後は二度とこのような事案を発生させないよう職員の指導を徹底し、再発防止に努める」と話している。
静岡刑務所のホームページによると、同所では、主に関東甲信越静岡区域の裁判所で懲役刑が確定した26歳以上の男子受刑者のうち、実刑期10年未満で犯罪傾向の進んでいない人を収容しているという。